韓国政府系メディア「香港は福島汚染水放流には批判的だが、食品輸入禁止については別」

日本政府の福島汚染水放流決定について、韓国同様に香港も国際的な非難に参加したが、「日本産食品の輸入禁止については意見が分かれている」と韓国農水産食品流通公社のメディア「KATI」(農食品輸出情報)が伝えた。

KATIの香港支社によると、日本産食品は新鮮農産物から畜産物、水産物に至るまで香港の消費者に親しまれており、香港は世界で日本の飲食店が最も多く密集する都市の一つであることから食材の需要も高いという。 Global Trade Atlas統計によると、2020年基準、香港は日本の農水産食品の輸出先としては1位の国であり、日本の農水産食品の輸出の23.5%に相当する約18億ドルを香港に輸出している。

一方で、香港の政治家たちは、福島の汚染水放出による食品汚染への懸念を提起した。一部の議員は、香港政府が、環境や食糧危機が香港に広がることを防止するために、積極的に対応することを促した。農水産業分野を代表する民建聯のSteven Ho Chun-yin議員は、日本産生鮮農産物、海産物、乳製品の輸入を徐々に禁止する措置を考慮すべきであると警告した。

輸出入産業を担う民建聯のWong Ting-kwong議員は、「日本政府が汚染水放出を開始すれば、香港政府は直ちに輸入を禁止し、食品サンプルの汚染有無について確認しなければならない。特定の品目の安全基準が満たされたことが確認されれば、政府は、その製品の輸入禁止を緩和することができる」と伝えた。

しかし、自由党の見方はことなるようだ。Tommy Cheung Yu-yan議員は、「日本の利己的な行為は非難を受ける必要があることに同意する。しかし、すべての日本産食品の輸入を禁止するかどうかは、全く別の問題だ。これは不必要であると考えている。香港のゲートキーピング(gatekeeping、流通の玄関口でろ過すること)システムは、非常に優れているので、私たちは香港で消費する日本産食品は、実際に日本国内の食品よりも安全である。大衆の懸念を緩和するために、政府は、より多くのテストを実施し、テストのサンプル範囲を増やすことができる。また、香港の消費者が政府を信じず、懸念するなら、日本産の食品を食べないこともできる」と説明した。

香港の原子力学会(Hong Kong Nuclear Society)のLuk Bing-lam会長は、「日本政府が世界保健機関(WHO)の定めた飲料水の基準に基づいて三重水素(トリチウム)が含有された汚染水を希釈し、汚染濃度を法定基準値以下に落として排出するという合意に従うなら、人間の健康への影響は非常に少ないだろう」と述べた。

一方、香港の食品衛生局(Food and Health Bureau)は、必要に応じて、輸入食品や地元の水産物の放射能テストを強化し、より多くの情報を要求すると発表している。

香港は2011年3月から福島と近隣4地域(千葉、群馬、茨城、栃木)で生産される食品の輸入を制限する規定を施行したが、2018年7月から福島産の果物・野菜、乳製品を除いては、日本産の輸入禁止措置を解除した。

KATIによると、「香港の消費者は、一般的に日本産の製品は信頼できる高品質の製品として認識」しており、日本産食品に対する信頼が厚いとした上で、「福島原発事故後も、香港の食品衛生局の輸入規制とテストに基づいて安全な食品が香港に輸入されると信じており、福島地域の当該地域の食品でなければ大きな問題はないと考えている」と指摘している。ただし、「今回の日本の福島汚染水放流決定による日本の農食品輸入については意見が入り乱れており、香港の消費者の消費心理に影響を与える可能性がある」と分析している。

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