韓国国営放送「中国のゴリ押しと無礼が怒りの中心」「一方が損して我慢する関係」

韓国の国営放送が、国交29周年を向けた中国との関係について、その懸案や方向性について問う報道を行っている。

韓国KBSニュースは25日、イ・ラン特派員によるレポート『中国内の韓流人気、また可能なのか?…国交29周年、行く道遠い韓中関係』を掲載し、その行く末を案じる見方を伝えている。
 
参考記事:韓国紙「中韓修交30年も…深刻な対立共存」「絶え間ない侵略を中国から受けた」
 
イ特派員によると、中国に赴任した海外特派員は1年に一度のビザ更新が必要だが、この時に中国外務省関係者と面談することが慣例となっている。そのとき、イ特派員が質問されたのが、「最近、韓国では反中国感情が激しいようです。なぜだと考えますか?」というものだ。これにイ特派員は「本当に分からなくて聞いているのか?」と言葉が詰まったという。

イ特派員は、2016年11月のサード(高高度防衛ミサイルシステム)配置に対する中国の経済報復により、人気のあった韓国ドラマや映画、芸能、大衆歌謡が一日にして中国市場から追い出されたことや、中国の有名人が韓国の伝統服「韓服」は中国の「漢服」をコピーしたものと主張したこと。また、中国メディアが、包菜(パオサイ=中国の白菜漬物)が国際標準化機構(ISO)のかを獲得してキムチ宗主国である韓国が屈辱を与えたと報じたことなどを挙げ、「そのたびに、私たち国民の怒りはさらに沸き起こりました」とイ特派員は指摘。

続けて、「怒りの中心には、中国のゴリ押しと無礼に対する反感があります。《中国が私たちのものを奪おうする》という認識です」と述べた。

米シカゴカウンシルが公開した韓国人の認識調査(4月)によると、調査に応じた韓国人60%が中国を経済的脅威国として見ており、83%は中国を安全保障の脅威になると評価している。また日本人よりも中国人を嫌っているとの調査結果も出ている。
 

写真:24日に開かれた「韓中関係未来発展委員会」の発足式および第1回会議の様子/韓国外交部
 
一方で、イ特派員は、「反中感情がこれまでなく大きくなったからといって、中国との関係を凍結したままで良いのでしょうか?」と問うており、「朝鮮半島の非核化と恒久的な平和定着のためのプロセスにも、中国の協力が必要です」と述べた。

また、1992年に韓国と中国が国交を結んだ後、29年の間に二国の貿易規模は約38倍大きくなり、中国が韓国の貿易相手国1位になったことや、人的交流は約30倍に増えたことなどにも触れた。

その上で、米中対立が激しくなる状況で、友好国である米国と隣国の中国との間の適切な外交戦略も見つける必要があります」とし、「中国という経済の《特典(benefit)》と《コスト(cost)》をどのように管理するかが私たちには非常に大きな課題であるわけです」と分析した。

そして、韓国と中国が国交29周年を迎え、両国の前・現職高位幹部などが議論する「韓中関係未来発展委員会」が24日に発足したことを挙げ、「どちらか一方が、一方的に損をして我慢する関係ではなく、健全な関係を作ろうという議論です。今第一歩を進んだようです」と伝えた。

24日の韓中関係未来発展委員会の発足式および第1回会議においてジョン・ウィヨン韓国外交部長官は、祝賀メッセージを通じて、「韓国と中国は、最も近くて重要な隣国」であるとし、両国が新型コロナウイルス感染症の状況でも迅速なルートの開設、北東アジア防疫保健協力体の発足、円滑な経済交流などをしてきた評価した。

一方、中国の王毅外相は、「中韓両国は重要な隣国であり、協力パートナー」であるとし、「韓中修交29年の間に、韓中関係は急速に発展し、両国の国民に利することだけでなく、域内と世界の平和と発展にも大きく寄与してきた」と述べた。

 
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「中国とは少し遠くなった方が良い」

「最初から中国は我々の敵だと考えた方が心も楽だ。あえて考える必要ない」

「中国になよなよせず、米国とうまくやろう」

「韓流は中国になくても良い。他国のものを奪おうとする国は必要ない」

「近づかなくても良い」

「笑わすな、米国とは血盟だ。アフガン事件をみて国家安保が優先だと思った」

「アイゴ~」

「歴史的に中国が助けてくれたことがあるのか?…」

などの辛口コメントがネット掲示板に多く投稿されている。
 
 
参考記事:韓国経済紙「賢明な日本の使い方…日本経済に近づこう」「中国の圧力へのシールドに」

参考記事:韓国経済紙「中国はアフガンに一帯一路を拡大」「韓国もタリバンとの関係再考を」

参考記事:韓国紙「中国への恐怖から抜け出す必要がある」「断固とした姿勢が国格を立たせる」