韓国紙「ロケット開発で韓国は米から屈辱的制限」「能力向上を再三求めるも却下」

韓国のミサイルおよびロケット開発技術は、歴史的に米国からの強い規制を受けてきた。今年に入り、ミサイル(距離・重量)に関してはその制約が外れたが、ロケットに関しては依然として不平等な取り決めが存在するようだ。
 
参考記事:韓国紙「中曽根元首相に習い先進国になろう」「巨大科学開発で日本を経済大国にした」
 
今年5月、ムン・ジェイン(文在寅)大統領の訪米時に、「韓米ミサイル指針」が完全に廃棄されたことで、韓国はミサイル開発を自由にできるようになった。しかし、「主権国家になぜそのような奇妙な制約があったのか?」と問うのが韓国メディア・アジア経済紙だ。

同紙は、「《ミサイル指針》はそのスタートから他の米国の同盟国と比べてももちろん、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発した北朝鮮との公平性の原則にも反する《屈辱》だった」とし、「また、韓国独自の軍事開発と宇宙開発に莫大な支障と予算浪費をもたらした」と指摘している。

同紙は、韓国航空宇宙研究院(KARI)の宇宙論文ジャーナル『航空宇宙産業技術動向』に掲載された『韓米ミサイル指針の廃棄と宇宙開発』論文を引用し、これまでの韓米間におけるミサイルの取り組みについて紐解く。
 

画像:韓国の弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)」
 
韓米ミサイル指針が結ばれたきっかけは、1979年に朴正煕政権が韓国初の弾道ミサイル「白熊」を開発したことに始まる。当時、朝鮮半島の軍事的緊張を懸念した米国が韓国にミサイル開発中止書簡を送り、韓国側が射程距離180km、弾頭重量500kg以上は開発しないと約束し、ミサイル指針が成立したす。その後、朴正煕大統領が暗殺されるや、ミサイル開発チームも解体されるなどした。

韓国のミサイル開発制限基準は、米国の同盟国である他の国に比べてもはるかに厳しかった。1987年に、米国を中心に、カナダ・英国・フランスのㆍドイツㆍイタリア・日本がミサイル技術管理レジーム(MTCR)を締結し、搭載重量500kg、射程距離300km以上のロケットシステム、無人航空機などについて「国家間の移転」を禁止した。しかし、独自開発はいくらでも可能となったのに対し、韓国はミサイル指針があるため、開発ができなかった。

これについて、アジア経済は「自主ミサイル開発が完全に制限された韓国のミサイル指針がどれほど屈辱的差別なのか分かるだろう」とし、「それでも韓国は、米国の顔色を見ながら継続的にミサイル性能の改良を進め、1990年に《玄武》(白熊-2)ミサイルを開発した」と説明した。

ミサイルに関しては、今回のミサイル指針解除によって、開発の自由を得たが、宇宙ロケットに関してはまだ障害が取り除かれていないようだ。

ミサイル指針は2001年に最初に修正され、当時、射程距離と搭載重量がMTCRの基準(300km、500kg)に緩和されいてる。しかし、「問題は、宇宙発射体の条項が初めて含まれ、韓国の自主的な宇宙開発が制限されたということだ」とアジア経済は指摘する。

当時、韓米両国は宇宙発射体(科学ロケットを含む)に関しては、交差点及び搭載重量に関係なく開発可能にし、通信・偵察衛星のような軍事衛星の打ち上げも可能にした。しかしながら、民間宇宙発射体は液体推進機関に限定され、固体推進剤の性能についても全力積100万ポンド・秒以下の補助推進弾とアポジキックモーターに限って開発が可能となった。
 

画像:韓国の国産宇宙ロケット「羅老(ナロ)号」
 
アジア経済は、これについて「軍用に改造することができない」とし、「軍用ロケット弾(Stage)も使用することができないという制約も働いた」と指摘。「当然である韓国の権利をなぜ米国がうるさく指図し干渉したのか?」と当時の状況を嘆いている。

一方で北朝鮮は核実験とICBM開発に全力疾走し、「すでに射程距離1万kmを超えるICBMをぱんぱん撃っている状況で、韓国にはこんな足かせを科したのはなぜだったのか?」とアジア経済は指摘し、「言葉だけで《同盟》と呼び、韓国を信じなかったのか?」と追及した。

同紙は、このような足かせが韓国の宇宙開発も影を落とし、固体推進剤の性能限界から紆余曲折を経たことを指摘。政府が個体推進剤の能力強化を米国側に何度も求めたが実現しなかったと伝えている。
 

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「そうではなく…豪州の原潜ケースを見て分かる通り、これは韓国でのみ起こったケースではなく、米国が現在、各国に武装を許可し始めたと見るのが正解」

「米国でも何でも外勢を利用して国を守ろうとすると莫大な対価が生じる。過去にも唐や清、日本、ロシアを引き入れたところ、多くの被害をみた。米国が守護天使という考えを捨てて、必ず自主国防を成し遂げなければならないと思う」

「韓半島の歴史において、米国ほど利益を与えてくれた国も無いがな」

「このような制約を取り払ってきたことを、むしろ成果と捉えよう。このことに関しては支持政党に関わらず交渉した人たちに感謝をしないと」

「力のない国はいくら良い暮らしをしても植民地なんだよ…」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
 
参考記事:韓国国営放送「米高官が《韓国に源泉技術支援する意思なし》言明」「豪州は模範的な核非拡散国」

参考記事:米専門家ら「韓国は中国のパートナー…情報同盟加入は困難」「与党に親中派…機密が中国に渡る」

参考記事:韓国が宇宙分野防衛事業に1.5兆円 ミサイル制限の解除で加速