韓国でノーベル経済学受賞研究(最低賃金)めぐり論争 「文政権は正しい」「国が滅ぶ」「雇ってみろ」

  • 2021年10月19日
  • 2021年10月19日
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今年のノーベル経済学賞は労働市場などの研究で成果をあげた米カリフォルニア大バークレー校のデービッド・カード教授ら3名に送られたが、これが文政権の賃金政策を肯定するものであるかどうかについて論争が起きているようだ。
 
参考記事:韓国のコンビニ店主団体ら、政府の最低賃金引上げに反発 「政府委員らは給料を払ったことがない人たち」
 
カード教授が「最低賃金引き上げが雇用にマイナスの影響を与えたと見ることができない」というテーマの研究を行っていたことから、文在寅政権を支持する市民団体や学者などからは、文政権の最低賃金引上げ政策が正しかったという声が出ているが、これをカード教授の研究を理解していないことによる誤りとする反論も出ている。

韓国経済新聞は18日、『最低賃金引上げは仕事を増やす…ノーベル賞受賞者の主張は事実だろうか』を掲載し、この論争を取り上げている。
 

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同紙は、カード教授の研究は、最低賃金が時給4.25ドルから5.05ドルに引き上げた米国ニュージャージー州と最低賃金が上がらないペンシルベニア州の雇用の変化についてファーストフード店を中心に調査・比較したものであると紹介し、「彼は結論として、最低賃金が雇用を減らすという証拠を見つけることができない」「むしろニュージャージー州の雇用が増えた」と主張したと伝えた。

しかし、同研究には反論も多く、学術誌などで多くの議論が行われた結果、「最低賃金の《緩やかな》引き上げは、雇用の減少に体系的な影響を及ぼさないという理論」へと進化し、「米国の最低賃金の議論水準が一段階上がった」ことを韓国経済新聞は伝えた。

カード教授も受賞者発表直後のインタビューにおいて、「(私の研究は、)最低賃金を上げようというものではない」とし「賃金決定の過程について注目したもの」と述べている。

しかし、韓国のリベラル系学界の一部では、今回のノーベル経済学賞を受けて「最低賃金引き上げと雇用の減少には何の関連の関係がないことが再確認されたという評価」が出ており、2017年の就任時から42%の最低賃金引上げを行った文政権の政策を肯定する向きがあると同紙は伝えた。文政権の最低賃金引上げによって、特に中小・零細の自営業者らが大きなダメージを受けたと韓国では度々報じられてきたが、それを打ち消す狙いもあったと推測される。

韓国経済新聞は、このような肯定的主張が「事実と全く違う」「生産コストの増加に脆弱な韓国の経済構造を考慮すると、カード教授の理論を韓国にそのまま適用することは難しい点がある」など経済学者の意見を伝え、ノーベル経済学賞自体が研究結果よりも画期的な研究方法を提示した学者に授与される傾向が最近あることなどを伝えている。

 
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「最低賃金くれと言わないで創業しよう」

「ノーベル賞を受賞したこの学者もこれまで人を雇い賃金を一度でも払ったことがないだろう。(韓国の)周辺のコンビニを見ても、(最低賃金引き上げで)アルバイトを切り(経営者)夫婦が直接やっている。雇用に否定的ではないだと?アイゴ~」

「左派の奴らは低能なのか?急激な(最低賃金)引き上げの弊害を見たくせに、それを繰り返そうとするのか?」

「経済学の4流が国の経済を左右するのだから国が亡ぼうとしているのだよ」

「我々がノーベル賞をもらえないわけだ」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。