カズオ・イシグロ「英国と日本は植民地主義の歴史を甚だしく隠した」 韓国紙取材で

日系英国人で作家のカズオ・イシグロが今年4月に韓国の記者たちのインタビューにおいて、日本が植民地支配の記憶を隠そうとしていると述べていたことが明らかになった。
 
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イシグロ氏は当時新作『クララとお日様』の韓国語出版に伴い韓国メディア記者たちとの非対面インタビューに答えた。イシグロ氏がノーベル文学賞受賞演説において「忘却と記憶の間で奮闘する個人について書いてきた。これからも一民族や共同体がそのような質問をどのように直視するかを書きたい」と述べたことについて、その後の進展を聞く質問に対し、イシグロ氏は新作ではそのようなテーマをあまり扱えなかったと答えつつ、英国や日本の歴史認識について言及した。

イシグロ氏は「英国は植民地主義の多くの記憶を葬り、日本も第二次世界大戦前後にしたことにに関する数多くの歴史と植民地の歴史を甚だしく隠したと思う」とし、「このようなものたちが隠されている間は、今後前に進むことが非常に困難であり、まさにこのことが、私が関心のあるトピック」であると述べた。韓国紙の一部はこの応答に注目し、英国人であるが日本出身であるイシグロ氏の出自について強調している。
 

『クララとお日様』韓国語版
 
一方で、コロナ以降の望ましい世界について聞かれたイシグロ氏は、「今日の世界の問題に対処するためには、全く新しい国際機関が必要だと思う」とし「科学的事実を尊重し、証拠に基づく科学ベースの処理方法を尊重しなければならず、ここから学ぶことができれば、肯定的な教訓になるだろう」と述べた。

イシグロ氏は新作「クララとお日様」において、人工知能の少女クララを主人公に設定した理由について、「他所から得た偏見や価値観がほとんどない人物」を描きたかったことや、「人間について徐々に多くを学びながらも、クララがそのような単純さと子供のような純粋さを維持することを願ったからだ」と説明した。彼は「私たちは、単純に情報を得ることで、人間の固有さを完全に把握することが可能であると考えるようになるだろう」とし「このようなことが科学的に可能かどうかについては、あまり気にせず、これが私たちの関係にどのような影響を与えるかに関心がある」と説明している。

イシグロ氏は、韓国について、「コロナ事態と関連し、韓国は世界の他の国々の模範となり、伝染病との戦いを非常によくやった」とし「韓国と英国のように、自由民主主義を重視する国が(不平等の問題を解決しながら)社会がうまく機能することを自ら見せなければならないと考えている」と述べた。

また、「過去、私たちは、韓国のサムスンのような技術や自動車の生産地として考えたが、今では、特に若い世代にとっては韓国はK-ポップのような興味深い文化の源流」とし「私の本が非常に未来志向的な文化が作られる現場である韓国で読まれることができるということは非常にエキサイティングなことだ」と述べている。
 
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