韓国のボイスフィッシングは日本の「オレオレ詐欺」よりヤバい…昨年733億円の被害

韓国で「ボイスフィッシング」という名の詐欺が流行している。日本の「オレオレ詐欺」をより高度にしたような形の犯罪だ。

16日、韓国の警察庁によると、昨年ボイスフィッシングに検挙された者は2177人に上り、2019年(1513人)に比べ約44%増加した。ボイスフィッシングの被害額は昨年7600億ウォン(約733億円)に上り、前年比504%急増した。

手口は高度で、人々の心理を巧みに利用しながら進化している。特に昨年は新型コロナウイルスの影響で経済的困難に陥った韓国人も多く、そのような心理につけこみ被害者が増えたとみられている。

韓国メディアや掲載によると、ボイスフィッシングの手口は最近、携帯電話のハッキングと組織的なチームプレーが特徴である。例として低金利ローンを餌に金をだまし取ろうとするボイスフィッシングのパターンがあるが、その場合、ローン商品をご案内しつつ銀行アプリを装った銀行アプリのインストールを案内する「コンサルタント」、銀行債権回収チームの「スタッフ」や金融監督院の「職員」などをそれぞれ詐称し役割分担。なかには振り込まれたお金の領収書を渡すメンバーも用意するなど、4人以上のチームプレーでターゲットを罠にはめる。

ボイスフィッシング犯罪の主な形態は、まず、低金利の償還融資が可能であるテキストメッセージを不特定多数の人々に送信する。メッセージを受信した人の中での融資返済に切迫した人々が電話をかけると相談員を称したメンバーが銀行アプリをインストールした後に融資書類を作成する必要があると述べ、偽の(ハッキング用の)銀行アプリのダウンロードURLを送る。

偽の銀行アプリをインストールした瞬間、携帯電話がハッキングされ、すべての通信内容が盗聴される。もし被害者が疑問を持ち、銀行の顧客センターに電話をかけるとボイスフィッシングのメンバーが電話を途中で傍受して返答するため、被害者はメンバーの説明を信じてしまう。

このような高度な手口に、韓国では被害が続出しており、対策を求める声も高まっている。
 
(参考記事:「韓国国税庁、仮想通貨利用した脱税者2416人を摘発…告発者には最大2千万円近い報酬も」)