韓国の株取引に課される農特税は廃止すべき、時代に適合しない…シンクタンクが主張

韓国で株式取引に課される農漁村特別税(農特税)が、毎年、数兆ウォン(数千億円)規模になるが、その税金のかなりの部分が他の基金として転出されるため、税率を引き下げたり、証券取引税と統合廃止したりしなければならないという主張が出ている。

韓国経済研究院は28日に発刊した「株式投資に関連する農漁村特別税の現状と改善策の検討」報告書で、「農特税は時代錯誤的であり原因者による負担原則にも反する」と明らかにした。

報告書によると、農特税全税収のうち証券取引金額課税が占める割合が、2019年基準で41.9%と最も大きな割合を占めた。特に農特税の税源を国税分で区分すると、2019年賦課徴収された農特税国税分2兆7598億ウォンのうち59.2%である1兆6349億ウォンが株式市場で徴収されたことが分かった。

韓経研のイム・ドンウォン副研究委員は、「昨年のコスピ市場の取引代金が2644兆ウォンで、前年(1227兆ウォン)に比べ2倍以上に増加し、3兆ウォン以上の農特税が株式市場で徴収される見込み」とした。

報告書は、今年の予算と基金運用計画の内訳上、農特税事業口座の合計歳入が前年比9.8%増加したのに対し、農特税歳入は20.2%増えたと指摘した。これに対して韓経研は、「株式取引の活性化に起因する農特税の増加を予想して拡大編成したもの」とし、「農漁村特別税事業口座関連の財政支出(総歳出)で他の資金移転が60%以上占めるなど農特税が過剰に多く徴収されてている」と主張した。

また、報告書は、株式取引関連農特税が、立法目的や原因者負担原則などかけ離れていると分析した。

農特税は1994年のウルグアイラウンドを契機に導入された。当時は株取引に対する「贅沢税」の性格が濃かった。しかし、現在の株式市場は庶民の財テク手段になっており、時代の変化に適合していない税金が残っていると報告書は説明した。

また、農特税は農村経済の低迷を防ぎ、競争力確保のために導入された租税であるため、市場開放に利点を得る経済主体が、その財源を負担することが「原因者負担原則」に符合する。

報告書は、株式市場の活性化や健全な金融経済の発展のためには、関連農特税(証券取引税)の引き下げや廃止が必要であると主張した。

イム・ドンウォン副研究委員は、「時代の変化と課税原則に合致するよう、現在のコスピ市場の株式取引に課される農特税は引き下げるか、廃止されることが妥当である」と述べた。
 
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