韓国、金融危機時に4.3兆円通貨スワップ可能に…円や人民元でも

韓国銀行(中央銀行)は31日、域内多国間通貨スワップの「チェンマイ・イニシアチブ」のマルチ化(CMIM)に向けた改定協定文が31日から発効すると明らかにした。
 
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CMIMは、アセアン(ASEAN・東南アジア諸国連合)および日中韓3カ国において、外国為替・金融危機が発生したり、危機の兆しが見られたりしたときに緊急流動性資金を支援する域内の金融安定協定であり、2010年3月に発足した。

総引き出し可能額は2456億ドル(約27兆円)だ。加盟国は、必要なときに、あらかじめ定められた限度内で自国通貨を提供し、米国ドルの支援を受けることになる。韓国の場合、分担金(384億ドル=約4.3兆円、比重16.0%)に引き出し倍数1を乗じた384億ドルを危機時に引き出すことができる。

今回の発行により、今後、危機時の短期流動性支援機能がさらに強化された。

まず、国際通貨基金(IMF)、非連携割合が従来の30%から40%まで拡大した。これは、IMFプログラムの導入がなくとも、域内の危機に対して、独自にドル流動性の支援を受けることができる制度である。

域内通貨のサポート制度も導入された。これにより、今後、加盟国が通貨スワップの限度内で、ドルだけでなく、域内通貨でも支援を受けることができる。つまり、人民元や日本円での引き出しも可能となった。
 
(参考記事:「韓国の国債金利上昇で懸念、中央銀行が2兆ウォン規模の買いオペ実施」)
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