日本のスーパーコンピュータ「富嶽」(Fugaku)が世界一位を維持したなか、韓国のスーパーコンピュータ「ヌリオン」(NURION)はまた世界ランキングを下げたようだ。
6ヶ月に一度、世界中のスーパーコンピュータの性能を測定して発表するTOP500.orgの2021年6月現在のランキングによると、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が運営する国家スーパーコンピュータ5号機であるヌリオン(13.9PF)は、前回のランキングに比べて10ランク下落となる31位となった。
一方、今回のTOP500の発表で、上位10に大きな変動はなかった。日本の富士通が制作し理化学研究所(RIKEN)が運営するスパコン「富嶽」は実測性能442.0PFで1位、IBMが製作した米国オークリッジ国立研究所(ORNL)のスパコン「サミット」が148.6PFで2位の座を守った。
韓国のスパコン「ヌリオン」は昨年6月時点で17位だったが、同11月には21位に陥落。そして今回は31位にまで後退した。
世界1位に躍進した日本の「富嶽」と対照的であることから、韓国メディアなどでは批判が噴出していた。韓国経済新聞などは「政治指導層が乗り出し、克日、AI強国を叫んでいるが、実状は正反対だ」(2/17)などと辛辣だった。
その後、韓国科学技術情報研究院(KISTI)は2023年までに500PF(ペタフロップス)級のスーパーコンピュータ6号機を導入する計画であり、中長期的世界5位の水準まで引き上げるという目標を立てているが、まだ道は遠いようだ。
一方で、韓国気象庁が新たに稼動を開始したスーパーコンピュータ5号機「マル」(Maru)と「グル」(Guru)が新たにランクインし、それぞれ23、24位を記録した。マルとグルは、インテルXeonプロセッサプラチナが搭載されたレノボのThinkPadシステム基盤である。それぞれ30万5432コア25.46ペタフロップスの性能を出す。