韓国銀行「中国の金融緩和→韓国に資金流入し輸出も増加させる…しかし」


 
中国が景気回復のために通貨量を増やせば、韓国の株価と物価を押し上げるという研究結果が出た。分析したのは韓国の中央銀行である韓国銀行だ。中国による莫大な額の金融緩和が人民元の価値を低下させ資金を韓国に流入させするが、同時に原材料価格も上げるので物価上昇も誘発するというものだ。
 
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韓国銀行が10日に発表した報告書「中国の通貨政策の変化が私たちの経済に及ぼす影響」を見ると、新型コロナウイルス拡散後に行われた中国による金融緩和政策は、韓国の金融市場にも少なからぬ影響を及ぼした。

韓国銀行は、中国が金利を引き下げ、人民元が切り下がると、中国に向かっていた投資資金が韓国に方向を変えると見通した。人民元の切り下げは中国の資産収益率を落とすので、相対的に韓国ウォンの価値が切り上がり、収益率がより高い韓国市場の魅力が増すからというのがその根拠だ。

中国から流出した投資資金が、安全資産である債券市場で向かうと、債券の利回り(金利・金利)を低下(債券価格は上昇)させるが、これはリスク資産である株式市場に資金を誘引する。韓国銀行は「中国通貨量の増加は、アジア地域経済への投資心理改善により、グローバル資金を国内(韓国)に流入させる効果が大きい」と説明した。
 

(画像:韓国銀行「中国の通貨政策の変化が私たちの経済に及ぼす影響」キャプション)
 
原材料の需要が旺盛な中国だが、自らの金融緩和によって、世界の原油や原材料価格は上昇に向かう。これは結局、韓国の物価にも上昇圧力として作用するというのが、韓銀の分析だ。

一方で中国の金融緩和政策が続けば、韓国の対中輸出にも肯定的であることが分かった。金融緩和により中国人民元の価値が下がると、中国製品の価格競争力が高まるので欧米など先進国への輸出が増加する。中国の輸出増加は、中国に中間財を多く輸出する韓国の輸出増加にもつながる。韓国の対中輸出における中間財の割合は73.2%(2005年8月〜2017年12月の平均)に達している。

報告書を書いたチョ・ユジョン韓銀経済研究院国際経済研究課長は、「中国の通貨政策の変化は、貿易ルートだけでなく、金融ルートからも私たち(韓国)の経済に大きな影響を及ぼしている」とし、「今後、韓中間の貿易構造の変化と共に、中国の通貨政策が韓国に波及するルートにも大きな変化が予想される」と展望した。
 
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