韓国食品大手「農心」(ノンシム)がヨーロッパに輸出した「ヘムルタン麺」などで1級発がん性物質が検出されたことを受け、中国の専門家は、中国産のラーメンにチャンスであると中国官営紙グローバルタイムズが15日報じた。
問題になったラーメンは、1月27日と3月3日に生産した製品で、1級発がん物質であるエチレンオキサイドが欧州連合の基準よりも148倍多かった。EUの食品飼料迅速警報システム(RASFF)は「ヘムルタン麵」および八道の「ラーポッキ」の販売を中止させ、全量回収を指示している。
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中国の食品アナリストである朱丹蓬氏はグローバルタイムズとのインタビューで、「農心がヨーロッパで直撃弾を受けた」とし、「今回の問題の影響は、半年以上は及ぼさないだろうが、(その間に)中国のラーメンの輸出に役立つ好材料として作用し得る」との見通しを示した。
関連産業の分析プラットフォームによると、中国は昨年1月から11月までの17万4700トンラーメンを輸出しており、輸入量(7万1900トン)をはるかに超えていると、グローバルタイムズは伝えた。
世界的に、人々が新型コロナウイルスの影響で家に留まり、隔離せざるをえない状況で、中国産ラーメンは人気を得ているとし、特にアフリカ、東南アジアで多く売れたと同メディアは伝えた。
朱丹蓬アナリストは、インタビューで、「農心の食品安全事故が中国市場への韓国ラーメン輸出にも否定的な影響を与える可能性がある」と強調した。
中国のSNSには「農心ラーメン発ガン物質の発見」というハッシュタグが去る14日から出回り始め、中国のネットユーザーらは農心のラーメンの安全性についての懸念を示したと、中国のECプラットフォーム農心担当代理人を引用して同メディアは伝えた。
しかし、代理人は「中国においてオンラインで売る農心ラーメンは、ヨーロッパに輸出されたものと異なる」とし、「中国の消費者は、大きな心配をする必要はない」と釈明したとグローバルタイムズは報じた。
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