韓国の衛生当局である食品医薬品安全処(通称・食薬処)は17日、ヨーロッパで有害物質が検出された農心および八道のラーメンについて現地調査を行った結果、発がん性物質である「エチレンオキサイド」は検出されなかったと発表した。有害物質は微量検出されたが問題ないレベルであると説明した。
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食薬処はこの日、「欧州に輸出したラーメンから2-クロロエタノール(2-Chloroethanol・以下の2-CE)が検出されたという情報に基づき、9日から現場調査および関連製品の回収検査をした結果、エチレンオキサイド(Ethylene oxide・以下EO)は検出されなかった」とし「一部の製品と原料で2-CEが検出されたが、人体に懸念はないレベルだ」と発表した。
EOは、米国・カナダで農産物などの燻蒸剤(殺虫剤の一種)・殺菌剤として使用する物質であり、吸入毒性があり、人体「発がん性物質」に分類される。今回の調査では、同物質は検出されなかった。一方で、2-CEはEOの中間体などで生成されたり、環境を通じて非意図的に汚染したりする物質である。多く吸入した場合、人体に危害を加えることがあり、「有害物質」に分類されるが、発がん性物質ほどの毒性はない。
問題になった製品は、農心(ノンシム)が釜山工場で製造した「輸出用 盛り合わせヘムルタン麺」と、八道(パルト)が利川工場で製造した「ラーポッキ米州用」だ。
このうち農心の輸出用製品は工場に残っておらず、サンプルも保管されていなことから、原材料である小麦粉や野菜ミックス(原材料の6つの個別の検査)、粉末スープが検査された。内需(韓国)用の場合、完成品(各種海鮮面の面、粉末スープ、野菜ミックス各材料)を検査した。その結果、輸出用野菜ミックス原材料の6つのうち、輸入乾燥ネギにおいて0.11㎎/㎏、内需完成品(各種海鮮面)の野菜ミックスにおいて2.2㎎/㎏の2-CEが検出された。
また、八道の製品の場合、メーカーが保管していた輸出用完成品(ラーポッキ米州用)と内需完成品(ラーポッキ)を検査した。その結果、輸出用完成品の粉末スープで12.1㎎/㎏の2-CEが検出され、内需完成品では検出されなかった。
食薬処は、これら検出量は「心配のないレベル」であると説明した。食薬処は、「2-CEは、非意図的に汚染されたり発生したりする可能性があることを勘案し、14〜16日、食品衛生審議会の諮問を経て安全に管理することができる暫定基準を設けた」とし、個々の原材料(約18種)検査などの原因調査を続けると明らかにした。
農心側は今回の食薬処の調査結果について、「今後も政府の基準値を満たした安全な食品を生産するように努力する」と述べた。
この発表をみた韓国のネットユーザーからは、
「中国が自分たちのラーメンを売るために官営紙まで動員して謀議したんだよ…」
「とはいえ、欧州への輸出品で(発がん性物質が)検出された理由は何なのか…国内では検出されなかったと発表する食薬処。もしかして企業側に立ってる?」
「微量でも出たらダメだろが、食べ物なのに…」
「韓国の(検査)基準がゆるいのを見ると、やはり起業しやすい国だ」
「うーん、信じられ…」
「…ラーメン食べて癌になった事例はない…」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
参考記事:中国官営紙「韓国ラーメンの発売中止命令は中国産ラーメンに好材料」
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