欧州で、韓国のインスタントラーメンから有害物質が検出され、リコールに追い込まれたことで、韓国のラーメン輸出競争力に陰りが出る恐れが出ている。
参考記事:韓国衛生当局、欧州で発売中止のラーメン「有害物質は微量検出も問題はなし」
欧州連合(EU)の食品飼料迅速警報システム(RASFF)は最近、農心(ンンシム)の「ヘムルタン麺」と八道(パルド)の「ラーポッキ」から毒性物質である「2-クロロエタノール(2-CE)」が検出されたと発表した。韓国の食品当局(食品医薬品安全処=食薬処)の現地調査でも有害物質が(微量)検出されたと明らかにされている。
韓国の経済紙チョソンビズによると、「Kラーメンのブランド地位も墜落の危機だ」とし、日本や中国でも報道が盛んだったことから、「現地消費者の間でKラーメンへの購入忌避現象が発生する可能性がある」と憂慮。「グローバルラーメン3位の座を狙っていた農心にとって、海外市場でブレーキがかかりうる問題だ」と指摘した。
実際、中国の官営紙グローバルタイムズは、EUでの韓国ラーメンの販売中止に「中国の食品輸出にとっては好材料である」と報じている。
チョソンビズによると、韓国の食品業界関係者は、EUの今回の発表で海外消費者の不安感が増すことや、メーカー全体への悪材料として作用する可能性があると吐露したという。
韓国ラーメンの輸出額は昨年史上最大値を記録した。韓国関税庁によると、2020年の同輸出額は前年比29.3%上昇となる6億362万ドルだった。国別では中国が最も多い1億5000万ドルで全体の24.7%を占めた。2位は米国の8200万ドル、3位は日本の5500万ドルだった。このうち農心の輸出額は3億4950万ドルであり、米国法人の売上高は3億2600万ドル、中国法人は3億1500万ドルを記録している。
農心は世界市場3位が目前とされていただけに、今回のEUの措置は痛手とならざるを得ない見込みだ。ちなみに世界市場シェア1位は中国のカンスプ(康師傅)の13.4%、2位は日清の9.9%、3位はインドネシアのインドフード(7.5%)となっている。
参考記事:中国官営紙「韓国ラーメンの発売中止命令は中国産ラーメンに好材料」