韓国の7月の生産者物価指数が9カ月連続の上昇を続け、統計作成以来の最高値に上昇した。
原油価格など原材料価格の上昇で工業製品の価格が上昇したうえ、前月まで下落していた農産物価格が上昇転換した影響である。生産者物価は時差を置いて消費者物価にも影響を与えることから、今年の下半期の物価圧力がより大きくなることが懸念されている。
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20日、韓国銀行が発表した「2021年7月の生産者物価指数」は110.02(2015年100)で、前月比0.7%上昇し、1965年1月の統計作成以来で過去最高を記録した。
生産者物価は、昨年11月から9カ月連続上昇を続けた。生産者物価が9カ月連続の上昇を見せたのは、2009年12月から2011年5月までの19カ月連続上昇して以来、9年2カ月ぶりに最長期間である。前年同月比では、昨年新型コロナウイルスの余波による「基底効果(反動効果)などの影響で7.1%上昇した。これは2011年6月(7.2%)以来121ヶ月ぶりに最も高い水準だ。
生産者物価は、生産者が市場に供給する商品やサービスなどの価格変動を示すもので、消費者物価指数の先行指標として活用される。一般的に、1ヶ月程度の時差を置いて消費者物価に反映される。
価格変動が大きい食料品とエネルギーを除いたコア生産者物価は前月比0.5%上昇した。1年前と比較すると6.6%上昇した。
ベ・ジュンヒョン経済統計局物価統計チーム課長は、「原油価格と原材料価格の上昇に石炭と石油製品、第1次金属製品が上がるなど工業製品を中心に生産者物価が上昇した」とし「猛暑で農産物価格が上がった影響もあった」と述べた。
特に猛暑で農林水産品が大幅に上昇した。スイカ(40.1%)、ホウレンソウ(76%)などの農産物が2.4%上昇し、全体農林水産品が前月比1.5%上昇した。鶏肉(18.4%)、鴨肉(3.4%)なども上昇を見せた。
ペ課長は「農産物の価格が、5月と6月にそれぞれ-3.6%、-2.1%を記録した7月に入って2.4%に上昇転換した」とし「その背景について調べた結果、猛暑による作況不振によりスイカとほうれん草が大きく上昇し、影響を受けたうえに、一部では外国人労働者の不足に起因する収穫不足などが明らかになった」と話した。
サービス生産者物価はレストランや宿泊(0.6%)、輸送サービス(1.0%)などの0.4%に上がるなど、11カ月連続上昇を続けた。
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