
東北と韓国をつなぐ「ほや」を主人公にしたイベントが、コリアンタウンのある東京新大久保で開催される。
一般社団法人東の食の会 (東京都品川区)は、東北と韓国を中心に愛される「ほや」を主役に、新大久保駅に隣接する施設「Kimchi, Durian, Cardamom,,,(キムチ、ドリアン、カルダモン、、、)」にて、食堂・物販・クッキングライブを組み合わせたイベントを行うと明らかにした。
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5味(甘味、塩味、苦味、酸味、旨味)の味わいを持ち、独特な形で目を惹く食材の「ほや」。東北の三陸地方を中心に多く水揚げされ、ほやの産地では地域の方に昔から愛されてきた食材で、お刺身や酢の物として食べられてきた食材だ。磯の香りが強く、ほや特有の旨み、苦味などをもつ複雑性のある味わいには、熱烈なファンがいることでも知られている。
東日本大震災以前、東北産ほやの半数以上(2010年には約7000t)は韓国へ輸出されていた。現地では昔から伝統的にお刺身やビビンバの具材としてほやを食す文化があり、日本同様に親しまれてきた食材の一つ。しかし震災の影響を受け輸出がストップ。食の会によると、行き場を失うほやも多く、水揚げされたものを廃棄せざるを得ないと言う時期もあったとのこと。だが、ほや漁師やほや関係者の活動もあり、近年国内での消費も順調に増え続けてきていると伝えた。
食の会は、「日本でも韓国でも愛されるほやですが、ほやで繋がったご縁からコリアンタウンとして有名な新大久保を舞台に、イベント《ほやウィーク2021》を旬の名残を迎えるこの時期に合わせて開催することにした」と抱負を語った。
開催会場となる「K,D,C,,,」は、「食を通じた新たな世界へのチャレンジを支援するプラットフォーム」として新大久保駅に誕生した施設だ。
韓国で「ほや」は「멍게(モンゲ)」と呼ばれ、主に酢コチュジャンに付けて食べられる。また生のほやを切り刻みご飯と混ぜ、ビビンバとしても提供されている。日本人観光客が多く立ち寄り釜山のチャガルチ市場では、ほやを捌いている光景に出会えることも。日本国内でも新大久保の海鮮系韓国料理店をはじめ、各地のお店で韓国流のほやを提供しているお店がある。
ほやウィークの概要
開催期間:2021年8月24日(火)〜29日(日)
開催会場:新大久保フードラボ「Kimchi, Durian, Cardamom,,,(キムチ、ドリアン、カルダモン、、、)」 https://kdc-foodlab.com/
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