韓国紙「日本の世界1位スパコンは努力も金も注がれた」「韓国は克日叫ぶも予算20分の1」

韓国の経済紙が、日本の世界1位スーパーコンピューター「富岳」を引き合いに、韓国でも国家が投資してスパコンを育成すべきであると主張している。

韓国経済新聞は26日、『スーパーコンピューターグローバル覇権競争《ビッグバン》』という特集記事において、超強力スパコンを確保するための「グローバル覇権競争」が激化していると説き、各国の開発状況を探っている。
 
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同紙はまず、世界1位のスパコン「富岳」を挙げている。「富岳」が世界コンコンピュータランキングで、昨年6月と11月に続き、今年6月まで3連続で1位を占めていると強調し、富岳が「単純計算速度を競う《TOP500》、産業利用で使用する計算処理速度を測定する《HPCG》、AI分野の計算性能を見る《HPL-AI》、ビッグデータ解析能力の指標となる《グラフ(Graph)500 》などの部門で1位に上がった」と紹介した。

同紙は、「富岳がどのように優れているか見てみよう」とし、演算処理速度は最大415.5ペタフロップス(1秒以内にすることができる演算処理が1000兆回に達すること)になることを強調。同紙は、「(これは)処理速度が1秒に41頃回に達するという話だが、これは何年も1位を占めていた米国IBMのサミット(Summit)より2.8倍高速だ」と高く評価した。
 

 
続けて、「富岳は性能自体も優れているが、日本の当局と富士通が7年の間に心血を注いで作った《努力の産物》という点でも注目される」と指摘。少なくとも数十兆ウォン(数兆円)に達する天文学的規模の金額が必要であるとし、「このように投資費用があまりにも膨大なため、これまでのスーパーコンピューターは、民間企業ではなく、国家主導で開発が行われる場合がほとんど」であると説明した。

その上で、米国や中国、欧州連合(EU)など主要先進国もスーパーコンピューターに毎年兆単位の予算を投入して日本を追うとしつつ、GAFAなど企業も独自に優秀なスパコンを開発している現状も紹介した。

一方で韓国については、IT大手のネイバー(NEVER)が昨年10月にAI研究に活用するため700ペタフロップス級スーパーコンピューターを国内企業として初めて導入したことや、政府がスパコン次期製品を早期導入し2030年までに世界5位を目指していることなどを紹介。
 

 
しかし、「まだ国内のスーパーコンピューター開発の速度は、先進国に比べて相対的に鈍い」という専門家たちの指摘を紹介。韓国政府肝いりのスパコン「ヌリオン」は世界のスパコンのランキングで21位にまで順位を落とし、政府の関連投資額も年間1000億ウォン(約96億円)程度となっており、「(予算が)主要国の10分の1から20分の1に過ぎない」と伝えた。

実際のところ、「ヌリオン」は今年6月には31位にまで後退しているが、21位に落ちた時点で韓国メディアなどでは批判が噴出していた。韓国経済新聞も当時、富岳の躍進を報じつつ、韓国のヌリオンには「政治指導層が乗り出し、克日、AI強国を叫んでいるが、実状は正反対だ」(2/17)などと辛辣だった。

韓国経済新聞は、「スーパーコンピューター覇権競争がますます激しくなっているだけに、韓国も、企業や政府がより緊密な協力で初期の成果を収めてほしい」と期待した。
 

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「iPadで満足して生きろや」

「ソウル大の馬鹿たちは何してるんだ?普及型のスパコンコンピュータ事業をやれよ!10億〜1000億の間の企業型スパコンが必ず必要である。将来的には人工知能が普遍化され、ここに入るのチップは、今とはまったく違った形になるだろう。まるでレゴのように」

「我が国の天気予報が改変された理由が中国のスパコンを導入したことと関連があるって記事読んだ」

「意味もないヌリ号ロケット開発に不足している政府の研究予算2兆ウォンを突っ込むなら、このようなスパコンプロジェクトに2兆ウォンを使えよ」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
 
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