韓国紙が「種子主権」の回復を訴え、日本産に置き換わる韓国産米の優秀さを強調している。
韓国中部の地方紙「中部毎日」紙は、チェ・ジュイ清州市農業技術センター長の寄稿文『我々の気候に合う我々の品種を開発しよう』を掲載し、これまでの韓国中部における日本品種の普及状況と、韓国産米の可能性について論じている。
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チェ・センター長は、「《韓国人はご飯の力で生きる》という言葉があるほど、韓国は米を愛する」としつつ、「しかし、驚くべきことに、私たちの食欲をひきつけた米の品種が日本から渡ってきた外来品種で、長い期間定着し栽培されているという事実である」と指摘。
チェセンター長によると、農業が発達した(韓国中西部の)忠清北道で栽培されている代表的な稲の品種は、日本の「秋晴」(あきばれ)と「コシヒカリ」であるとし、60〜70年代に導入されて以降栽培されてきたが、「病害虫に弱く、数量も低く倒伏も激しいが、高品質を代表する品種として認識されている」と説明。(※2019年8月基準で「秋晴」は忠北道の36%)
一方で日本との関係が悪化するにつれ、農業分野でも「種子国産化」の動きが高まっており、「忠北道でも国内育成品種を2023年までに95%に増やすことを目標に、多くの努力を傾けている」と述べた。
チェセンター長は、「品種交換は慎重でなければならない」とし、「ただ、日本の品種が嫌いだから韓国の品種に交換するのではなく、私たちの品種がより優れており、その優秀性を消費者が感じるように品種特性がよく発現できるよう、栽培管理に気を使わなければならない」と説いている。
チェセンター長は、韓国の品種代表格の「ヘドゥル」「チャムドゥリム」「アルチャンミ」などは「味と品質の面ですでに日本品種を越えたという評価を得ていると」と強調した。これら韓国産種は日本品種に比べて倒伏や病害に強く、米粒が澄んで食感が良く、10a当たりの収量も高いとのこと。消費者ブラインド調査でも高い評価を得たと説明している。
韓国政府は、これまで普及種としていた日本の「秋晴」について2023年度から中止することを予告しており、素材・部品・装置だけでなく、コメの国産化も進みと予想される。
チェセンター長は、「私たちの品種が多く開発され、拡大普及するほどに《種子主権》、すなわちロイヤリティ、知的財産権の分野で失ってしまった自尊心を回復する日も遠くないであろう」と伝えている。
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