
韓国製化粧品は過去に中国で一世を風靡したものの、最近は劣勢に立っている。
韓国メディア・マネーSは2日、ハン・ヨンソン記者の記事『偽物前面に出して韓国の化粧品を押し出す中国…韓国化粧品コピーに必死』を掲載し、一級の製品力で中国人を引き付け良く売れた韓国製化粧品が往時の勢いを失っていると嘆いた。
参考記事:韓国経済紙「営業秘密流出で韓国は年間5.6兆円の損害」「無罪率高く…命を絶つ例も」
ハン記者は、韓国化粧品の人気が中国で上がるや、「中国では偽物(模倣)製品が猛威を振るった」としつつ、最近では「愛国主義で固く団結した中国の若い層の消費性向が恥ずかしげもなくコピー製品に向かったことで韓国の化粧品を押し出す役割をした」と述べた。
2106年当時、サード(高高度ミサイル防衛システム)問題で中韓関係が悪化するまで、中国では韓国ドラマ人気もあり、女優たちが使う化粧品に行列ができたことなどに言及。
同紙は、「K-ビューティー跳躍期と呼ばれた2010年には《雪花秀》を前面に出したアモーレパシフィックや、「后」、「SU:M」など高級ブランドを打ち出したLG生活健康は二強構図を形成した」と評価しつつ、その時もこれら製品の偽物に韓国企業が頭を悩ませたと指摘した。
そして、サード問題以降は「韓国産化粧品の通関が強化されたことや、韓流制限令と韓国団体観光制限などが続き、結果的に輸出と免税販売などが不振に陥った」とし、「2019年末から始まった新型コロナウイルス感染症拡散により免税チャンネルとオフラインの販売は急落した」と述べた。
また、韓国ブランドは当時中国の低い人件費を目当てに(委託生産メーカーをして)現地工場を建てたが、これが後日「韓国化粧品が中国企業に市場を奪われる失敗を犯すきっかけになった」とし、「中国企業は、韓国のOEM・ODM企業が現地生産工場を設立して以来、韓国の専門人材を引き抜いて行き、これは事実上の技術流出の発端となってしまった」と批判した。
その後、中国内の若年層を中心に愛国心から始まった自国製品優先主義の勃興により、韓国企業の現地シェアも大きく低下し、「以前のように韓流熱風に期待した販売ますます難しくなっている」と同紙は嘆いている。
ハン記者は、一方で韓国の化粧品業界が「国内源泉技術の不足」によっても低迷の危機に立たされているとし、その開発や、中国以外への販路の拡大が必要という専門家の意見を伝えている。
中国の中商産業硏究院によると、同国スキンケア市場規模は、2016年261億2066万ドル(約2.9兆円)、2020年の400億5331万ドル(約4.5兆円)とに年平均10.2%の成長率を記録。2025年には615億3792万ドル(約6.8兆円に達すると予想している。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「中国の人件費が安いと進出した企業のほとんどは技術を抜かれて出て行かされる…」
「もともと化粧品の製造は、芸能人、医師など、誰でも始めることができる簡単な製造技術を持つ業種である。中国が真似することができるのは当たり前だったのでは…」
「中国市場はそもそも放棄すべき。技術を渡す愚かな結果だけが残るだろう。中国に工場を建設することが今後はないことを」
「製品コピーで最高の能力を持つ中国で商品を清算するのは、どうぞ私たちの製造技術を持って行ってくださいというのと同じ」
「タイミングが悪かったのかな」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
参考記事:韓国元大臣「中国は小児的大国…気に入らないとすぐ報復」「韓国の対中意識はナイーブで牧歌的」