日本の海上保安庁に相当する韓国海上警察庁のトップが、韓国領海近くに日本の巡視船や中国の調査船が相次いで出現する現状を現地メディアに訴えている。
韓国の中堅メディア・イーデイリー紙は8日、キム・ホンフィ韓国海上警察庁長官(海洋法博士)へのインタビューを行った。キム長官は同紙に対し、「日本の海上保安庁の巡視船が1年に多いときで100回は韓国領土である独島(※竹島)の近くに現れる」とし、「中国海洋調査船も離於島(※イオド/EEZをめぐり中国と葛藤がある島)にも相次いで出現する」「さらに攻勢をかけている」と述べた。
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その上で、「海洋警備の重要性がますます高まっている。隙のない防御と将来の投資が必要な時期だ」とキム長官は訴えた。キム長官は現在、中国漁船のワタリガニ漁大挙到来に備え、夏休暇も返上して職務を行っているとのこと。
ムン・ジェイン(文在寅)政権は来年度の海警予算を今年より9.3%増となる1兆6836億ウォン(約1595億円)で編成したが、海洋警備に要するリソースにおいて韓国は日本や中国に比べ不足している。
韓国海上警察庁、日本海上保安庁などの資料によると、現在、韓国海洋警察の艦艇は354隻で中国(394隻)や日本(477隻)より少なく、ヘリコプター(20台)は中国(19台)より多いが、日本(53代)の38%水準であると同紙は伝えている。
イーデイリーは、日本の海洋保安庁の巡視船の独島付近海上への出現回数が2018年84回、2019年に100回、2020年83回に達していることや、中国海洋調査船が同じ時期に14回、20回、31回離於島付近に現れたとし、「ここに西海(NLL)、済州島近くの中国漁船まで含めると海洋警察が対応しなければなら船舶は雪だるまのように膨らむ」と伝えた。
キム長官は、「日本と中国はなぜこのような攻勢に出ているのか?」という質問に対して、「日本は私たちの土地である独島を国際的に紛争地域にしようとしている」とし、「日本が私たちの領海内の侵入することはほとんどないが、相変わらず独島近くまでやって来る」と述べた。中国については、「中国の海上版一帶一路である」と説明した。
韓国の海上防衛対策について聞かれたキム長官は、未来型海上警備システムであるMDA (MDA·Maritime Domain Awareness)を構築し、ドローン、衛星などを活用した無人の防衛システムを強化していくと伝えた。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「韓国海洋警察がんばれ!…国民たちはあなた方を信じる…」
「日本も日本だけど中国も本当に困るな...頑張れ大韓民国!」
「韓国もはやく哨戒機を作ろう!十分に可能だ!」
「警察ではなく軍人が守るべき。海兵隊を送れ」
「…大韓民国の国土守護精神を明確に見せなければ」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
(アイキャッチ画像:中国の不法漁船を追跡する韓国海上警察/中部地方海洋警察庁)
参考記事:韓国海洋当局「独島中継、日本政府の抗議に関係なく引き続き進める」