韓国紙が、米英などで構成する情報同盟「ファイブアイズ」に韓国を加入させる案が米で出ていることについて、内外で様々な懸念が出ていることを伝えた。
朝鮮日報は9日、米英豪加新など5カ国で構成されるファイブアイズに日本や韓国、ドイツを加入させる案が米で出ているが、米国や韓国の専門化から否定的な意見が出ていると紹介した。
参考記事:米国営放送「韓国を情報同盟に入れると秘密漏れる」「神経を使わない国と共有できるか」
ファイブアイズの構成国拡大案は、中国やロシアへの対抗のためだが、韓国はどちらかというと中国のパートナーになりつつあるという懸念を語るのは米民主主義財団のデビッド・マックスウェル先任研究員だ。彼はRFAの取材に「ファイブアイズは、中国に対抗する同盟という認識が強い。韓国は安保アメリカ、経済は中国とのパートナー関係を結んでいる」とし、韓国の加入は現実的に難しいとし、現政権がファイブアイズ加入を受けいるかも未知数であると述べている。
ランド研究所のブルース・ベネット先任研究員もRFAの取材に「お互いに共有した情報の秘密保持が加入の重要基準になるだろう」とし「数年前、米国が提供した機密情報を韓国軍がマスコミに流出した事例を見た」と述べた。「米国は、機密情報がメディアに公開されることを望まない。ファイブアイズ加盟国はまた、機密情報をマスコミに公開しない国々」であると強調した。
朝鮮日報は、これら指摘について、「韓国が果たして秘密保持能力と意志があるのか疑わしいということだ」と危惧しており、米国と韓国が軍事同盟を結んでいるとはいえ、情報同盟はさらに密接なパートナーであることから、高い信頼が求められると説明した。その上で、機密情報のマスコミ流出や、軍事情報が北朝鮮にハッキングされた事例が多いことから、「米国とファイブアイズ国が韓国を疑う視線で見ている」「習近平とキム・ジョンウン関連の個人情報を韓国に提供した数日後、これが北朝鮮や中国に漏れる」との懸念が持ち上がっていると提起している。
同紙はまた、「中国の顔色を見てきた」ことも問題であるとし、「米国は、実際に現政府と与党内に親中派が少なくないと見ている」と指摘。そのため中国と習近平主席に関連する機密情報がそのまま中国に「報告」されるような状況が憂慮されているとの見方を示した。
韓国経済社会研究院のシン・ボムチョル外交安保センター長は「米国は、高度な情報が北朝鮮や中国に移る可能性を排除できていない」とし「韓国政府が親中的歩みを示せば、重要な情報は与えないだろう」と同紙に延べている。
続けて、米国政府は、現政権ではなく次期韓国政権とファイブアイズ加入問題を議論すると予想しつつも、左派政権が再びできればそれも難しくなると見通した。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「サード配置も怖くてできない国が何をファイブアイズか?そこには日本とインドが入るだろう」
「親中政権には情報を与えてはならない。そのまま渡すから」
「政権交代後に加入しても手遅れかもね」
「日本の新聞みたい」
「中国にリアルタイムで流れる可能性」
「いや、核武装だけ認めてくれたら良いよ」
「我が国が加入したら中国は高位情報を定期購読できるわけだ」
「…日本が加入するのに我々だけ入らないのはどうか?…」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
参考記事:韓国紙「駐中韓国大使らが中国産ワクチンを忌避」「親中政権なのに皮肉」