韓国紙が豪州の対中国外交を分析し、貿易依存度が高いにも関わらず圧力には断固とした対応をとると評価し、自国政府の対応を疑問視している。
参考記事:韓国市民団体「駐豪日本大使が豪州を旭日旗宣伝に利用」「日帝空襲で255人死亡…豪州政府は警告すべき」
韓国経済新聞は28日、イ・ハクヨン論説顧問のコラム『不良国家をうまく扱う法』を掲載し、中国の対豪州圧力が、豪州政府の強い姿勢もあり、うまく行っていない様子を伝えた。
イ顧問は、中国が豪州の石炭輸入禁止措置をとった結果、「中国に電力不足という青天の霹靂が落ちた」とし、「あちこちで大規模な停電が相次ぎ、企業活動に赤信号が灯った」と指摘した。中国は電力の70%近くを石炭火力発電に依存しているが、輸入石炭の半分を占めていたオーストラリア産搬入を昨年から中断したことの影響だ。豪州への圧力が「ブーメランとして中国に戻ってきた」とイ顧問は指摘した。
当初、中国は南アフリカとコロンビアなどの石炭を使えば豪州を代替できると踏んでいたが、送料や品質など、すべての面で代替品になり得なかったとイ顧問は指摘し、「オーストラリアは特に打撃を受けなかった」と説明した。中国の圧力で同じような状況だったインドなどが石炭輸入を増やしてくれたおかげだという。
豪州は輸出全体の3分の1を中国市場に依存するが、豪州は英米に連なるアングロサクソン国家であり、中国の対豪州圧力は「自ら罠にかかった」ものであるとイ顧問は指摘する。その上で、「とんでもない電力難は国家間の貿易を互恵ではなく、一方的恩恵と勘違いしてきた中国政府が自らに刻むべきカルマ(業報)だ」と強調した。
イ顧問は、豪州が米英と対中国包囲網を強化する同盟(AUKUS)を結んだことや、仏との契約を破棄してでも米原潜導入を豪政府が決断したことを挙げ、「中国への経済依存度が世界で最も高いオーストラリアが下した今回の決断は、多くのことを示唆している」とし、「中国の挑発的な《戦狼》外交の前に、委縮しない姿勢を明確にした」と評価した。
イ顧問は、3年前にマルコム・ターンブル当時豪州首相が、中国の外交戦略の実態を「3C」と指摘したことを挙げる。すなわち、「相手国の政治家や知識人たちを買収して親中に洗脳する秘密(covert)・腐敗(corrupt)工作」や「力を前面に出す強圧(coercive)」だ。「南シナ海紛争などをめぐり、米国と対立を本格化し、自由主義同盟の《弱い環》を切断する3C工作はより猛威を振るっている」とイ顧問は説明する。
イ顧問は、韓国のチョン・ウィヨン外相が最近、米訪問の際に「中国の攻勢外交は当然だ」とし「(他の国には分からなくても)まだ私たちは強圧とは思わない」と述べ、中国擁護で物議をかもしたことなどを挙げ懸念した。そのような姿勢はまた、数々の強硬姿勢を韓国に続ける北朝鮮に対してあくまで融和を装う文政権の対応と類似するものであると指摘し、「政府はまともなのか」とイ顧問は述べている。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「豪州が羨ましい!」
「文在寅のような者が自国の指導者であるのは悲劇だ…」
「意味深長だ〜あいつらは強者に弱く弱者にあらゆる乱暴をしまくる~~~気を確かに持とう~~~正しい対応法を見つけ、自主権と利益を保護しよう~~~」
「全羅道では韓国経済(新聞)の購読者が一気に減るな(※全羅道は与党支持基盤)」
「みんな国ごとに生きる方法が異なり、他国がそうだとしても、その方法が正解になるわけではないよ…国ごとの状況が違うのだから、その国の状況に合わせて対処することが望ましい」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
参考記事:韓国国営放送「米高官が《韓国に源泉技術支援する意思なし》言明」「豪州は模範的な核非拡散国」