日本の次期総理に岸田文雄自民党新総裁が就任する予定だが、韓国の財界では、日本の輸出規制に変化はないとの見方が優勢のようだ。岸田自民党総裁は2015年に韓国との間で結ばれた「慰安婦合意」の日本側署名者であるが、なかには岸田総理によってさらに日韓関係が悪化するとの声もある。
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韓国のアイニュースは30日、財界への取材をもとに上記のように報じた。
それによると、ある財界関係者は、岸田氏が日韓慰安婦合意を導いたが、韓国政府がこれを履行していないことに不満をあらわにしていることなどを挙げ、日韓関係を少なくとも輸出規制(2019年7月)に戻したいという文在寅政権の狙いは実現しないとの見方を示した。
他の関係者は、岸田氏に政権が代わっても日韓経済関係が画期的に変わる可能性はないとし、輸出規制自体に実効性がないと同時に、両国間の「名分の戦い」が続き、関係改善と輸出規制緩和の意志が見えないと嘆いた。
一方である半導体関係者は、岸田政権でも日本の輸出規制は継続されるだろうと予想しつつ、過去2年で日本への依存度を下げることができる方案が多く作れたので、心配はしていないと答えたという。
また別の関係者は、誰が日本の首相になっても日韓関係が以前のように回復すのは難しいとし、輸出規制素材を国産化するために、今後も企業や国家の支援と投資を急ぐ必要があると強調した。
韓国経済新聞は29日、岸田新自民党総裁が、慰安婦合意を導いたが、「日韓関係においてボールは韓国側にある」と何度も発言したり、総裁選討論の場でも「韓国に国際合意、国際法を守れと要求する」と述べたりしたことなどを挙げ、「むしろ関係が悪化する可能性がある」と指摘している。
一方で韓国青瓦台(大統領府)の幹部は29日、聯合ニュースの取材に対し、「韓国政府は、新たに発足することになる日本の内閣と日韓間の未来志向的な関係発展のために継続して協力していきたい」と述べている。
これらの報道を見た韓国のネットユーザーからは、「韓国に対する日本の批判世論はすべて反省がない日本政府が作り上げたものだ」「いずれにしろ、近づきたいとは思っていない」「政府は祝電も送るな…」「日本が主敵になる日が近づいているのか?産業界は脱日にもっと努力しないと」「というか、天皇がいるんだから総理は必要ないのでは」「安倍の子分が登板」「文在寅が膝を付いて謝るまで関係改善はない」などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
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