韓国紙「フランス利用し原潜導入を」「文政権の対中あいまいさが米と衝突」

韓国の有力経済紙が、米国あるいはフランスからの原子力潜水艦導入の可能性について分析している。
 
参考記事:韓国国営放送「米高官が《韓国に源泉技術支援する意思なし》言明」「豪州は模範的な核非拡散国」
 
韓国経済新聞は4日、ソン・ヨンチャン記者の『”77兆蒸発”に怒ったフランス、米の超強気…韓国にチャンスか』タイトル分析記事を掲載し、世界で7番目にSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射実験に成功した韓国だが、豪州のように原潜の導入するために何が必要かについて論じている。

同紙は、2024年時点で計3隻のSLBM艦を韓国が保持する見込みであるとしつつ、同発射実験に成功した国のうちで唯一核保有国でない国でもあると指摘した。

原子力潜水艦をこれまで導入していなかった理由について韓国経済新聞は「技術でもなく、軍当局の意志でもなく、韓米原子力協定のためである」とし、同協定において韓国は米国産ウランを20%未満にのみにしか濃縮することができず、低濃縮ウランを軍事目的で使用することもできないと説明した。その上で、「米国が韓国の原潜開発を遮断している」と指摘した。
 

画像:先月15日にSLBM発射実験に成功した「島山安昌浩」艦
 
同紙は、「一部では、原潜は核兵器の開発とは異なり、原子力協定の適用を受けないとの主張もある」とし、実際にキム・ヒョンジョン前国家安保室第2次長が昨年7月に「韓米原子力協定と原子力推進潜水艦は完全に独立しており全く関連性がない」と主張した事例を紹介しつつ、「しかし、米国は韓国の原潜導入を強硬に反対したと伝えられる」と韓国経済新聞は報じた。

一方で、今回、豪州が米原潜を導入するにあたり、豪州側から原潜契約を解除されたフランスが強く反発していることを挙げ、フィリップ・ルポール駐韓仏大使が異例の記者会見を開き豪州と米を批判すると同時に、「韓国と原潜を含む国防協力をしたいとの意向をのぞかせた」と伝えた。

韓国経済新聞はこれについて、「韓米原子力協定だけでなく、すべての核燃料が米国主導の核供給国グループ(NSG)によって制御されるという点で、韓国が独自にフランスから原潜技術を導入することは事実上不可能に近い」とするも、「ただし、このような動きは、米国を動かす上でテコになり得る」と主張し、次の韓米安保協議会の(SCM)で原潜問題が本格的に議論されるとの希望的観測もあると伝えている。

一方で、米政府が豪州以外の国への原潜技術供与に一線を引いていることを挙げ、米英との関係が深い豪州とは異なり、「文在寅政権が国防分野でとる《自主国防》と外交で展開する《戦略的曖昧さ》が衝突する」と指摘。

「自主国防のために米国が要求する対中牽制に積極的に参加しようとすれ戦略的曖昧さが崩れ、戦略的曖昧さを固守しようとすれ米国が原潜開発を承認しない」というジレンマに陥ると韓国経済新聞は分析している。
 
参考記事:米前大使「韓国のSLBM成功は驚くべき成果」 「搭載する核は無いがな」ネット民

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