「夢のハイテク素材」と呼ばれる炭素繊維で世界最大シェアを誇る日本の東レが、韓国で炭素繊維中間材企業を買収した。東レの事業シナジーがさらに高まるとみられる。
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東レの韓国法人である「東レ先端素材」は最近、SKケミカルの蔚山および中国青島のプリプレグ(炭素繊維中間財)事業を300億ウォン(約28億円)で買収した。年間1千600万㎡という最大規模の生産量を構築することで炭素繊維複合材料事業の質的・量的成長を加速していく計画ある。
今回の買収により、ミッドストリーム(Mid. Stream)分野でサプライチェーンを広げ、システムを確固にすることで、国内外でのサプライチェーンを拡張し、環境にも配慮した軽量化素材でグローバル競争力を強化する方針だ。
同車は、高性能・高品質の炭素繊維に加え、加工性に優れたプリプレグの供給により水素車、電気自動車、都心航空モビリティ(UAM)などのモビリティ用途や、風力発電ブレードなどの産業用分野にも積極的に進出するとみられる。また釣竿、ゴルフクラブ、自転車などのレジャースポーツの分野でも、製品開発力をさらに高めていく予定である。
東レ先端素材側は「今後、炭素繊維複合材料の分野で、前後産業と戦略的協業、相互競争力を結合して、自動車、環境・エネルギー、航空機、スポーツの分野の様々な用途開発に集中することで、炭素繊維複合材料事業をさらに拡大していく計画」と明らかにした。
韓国産業研究院によると、東レは炭素繊維の世界市場で最大シェア(27.8%)を占めており、東邦テナックス(12.2%)、三菱ケミカル(9.3%)を合わせると日本のシェアは約50%に達する。
韓国市場では最大のシェアを誇り、同2位のヒョソン先端素材の約2倍の生産量を誇るが、中間財のプリプレグに関しては韓国企業が主に市場を占めていた。そのようななか、同市場の一角を占めたSKケミカルのプリプレグ事業に加え中国の拠点も手中に収めた形だ。
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