韓国の火災回収EVのバッテリー、40分の1の安値で大量廃棄へ 法不備でリサイクルもできず

現代自動車の「コナEV」など電気自動車約8万台(海外含む)、韓国LG製のバッテリーの不良が原因とされリコールされている問題で、大量のバッテリーが最大40分の1の安値で大量に廃棄されると韓国紙が伝えている。環境にも負荷がかかるとの指摘だ。
 
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ファイナンシャルニュースは28日、『電気自動車リコールバッテリー再利用できず安値廃棄[道を失った使用後バッテリー市場]』というタイトル記事を掲載し、この問題を報じた。

同紙は、「現代車コナEVなど1兆4000億ウォン(約1332億円)規模のリコールバッテリーが、使用後バッテリーとしてリサイクルできず、安値で廃棄される危機に処した」と伝えた。

ファイナンシャルニュースによると、現代自動車とLGエナジーソリューション(LGES)は韓国内のリコール車両約2万7千台について約160億ウォン(約15億円)で韓国企業に売却したとし、1台当たりのバッテリー価格は1000万~2000万ウォン(約95万円~190万円)水準だがリコール後の売却価格は50万~60万ウォン(約4.8万円~5.7万円)に過ぎず、最大約40分の1になることを伝えた。
 

今年10月にコナEVの火災について報じた聯合ニュース報道キャプション
 
また、「深刻な資源浪費と環境問題を指摘されている」とし「リサイクル業界は電気自動車時代を迎え、使用後バッテリーをエネルギー貯蔵装置(ESS)などでのリサイクルを活発に行う制度改善を要求するが、まだ関連法規定が不備のため、ほとんどが廃棄される実情だ」と説明している。

同紙によると、業界関係者は、リコールされるコナEVのバッテリーはほとんど新品であることからリサイクル商品としても「十分な価値がある」にも関わらず、「このような機会が封鎖されているのが残念だ」と述べているとされ、「政府が使用後バッテリー関連規定の整備と公論化を誘導し、国会は法制度を早急に制定しなければ資源の無駄や環境問題などを防ぐことができない」との見方を伝えた。一方で「現政権は任期末なので国会と公務員が意欲的に動くことに限界がある」とも指摘している。

 
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「環境問題のために電気自動車の普及と支援金を付け、バッテリーを廃棄するのに、これでは環境保護にならない…」

「これがクリーンエネルギーと言えるのか?」

「親環境車ではなく環境汚染車になってしまう…」

「衝撃が加わる自動車バッテリーに対して、ESSは固定されるのでより安全だ…資源リサイクルが急がれる」

「火が付いたら誰が責任を取るのか?

などのコメントがネット掲示板に投稿されている
 

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