韓国の化学企業がハンガリーで工場稼働の権限を停止されたとの報道が出ている。ハンガリーの環境団体が明らかにした一方、韓国企業側は否定しているようだ。
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ハンガリーの非営利団体「EMLA協会(EMLA Egyesület)」は1日(現地時間)、「ブダペスト・ケルニエキ裁判所がトンファエレクトロライト(Dongwha Electrolyte)が先週に受けた環境保護許可の執行権限を事実上停止した」とし「このため施設を建設しても操業を開始することができない」とFacebookを通じて声明を出した。
裁判所が許可を停止したのは、環境市民団体であるベデジレ(Védegylet)とレベゴムンカソポート(英語名The Clean Air Action Group)がトンファ社を相手に起こした訴訟のためだ。最初の公判は来年3月30日に行われる。
ソスクット(Sóskút)市は昨年12月、トンファ社に工場設立過程の必須手続きの一つである統合環境許可を発行しており、工場が建設される予定だったが、EMLAの声明が事実であれば操業が頓挫する可能性がある。
一方で、トンファ社側は工場設立計画が支障なく進行中という立場だという。詳しく報じた韓国メディア「THE GURU」によると、同社は「市民団体の主張とは異なり、同化エレクトロライトを相手に提起された訴訟がないことを確認した」とし「電解液工場とN-メチルピロリドン(NMP)精製工場はそれぞれ来年1月と3月に政府の最終承認を受けて稼動に突入する予定だ」と述べたと伝えられた。
トンファ社は同地に電解液生産工場とNMP精製工場を建設する予定だった。それぞれ年間2万トン規模とされ、ハンガリーにバッテリー生産工場を置くサムスンSDIとSKイノベーションに供給する計画だったとTHE GURUは伝えている。電解液は世界で需要が急増しているEVバッテリーの核心素材だ。今回の事態の成否によっては、欧州地域でシェアを拡大するサムスンSDIやSKイノベーションにとって打撃となる可能性もある。
EMLAの声明に対してハンガリーのネットユーザーなどからは、
「満足のいく解決策が見つかるまでにはまだ長い道のりがあることは承知しているが、ソスクット工場にとっては最初の朗報である。EMLAに感謝!」
「タルノクの住人として、彼らの活動には計り知れない感謝の気持ちがあります。家族を代表して感謝します」
「素晴らしいニュースです。地域住民や環境の利益が法的に守られるという希望がまだあるのですね。どのような点が指摘され、今後どのようなことが期待できるのか、具体的にお聞きしてもよろしいでしょうか。この工事は実質的には完了しているので…」
「協会のさらなる発展と成功を願っています」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
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