韓国左派系紙のオーマイニュースが『韓国が不幸でしかない決定的な理由』というタイトル記事を8日に掲載した。執筆したのはユン・ホンシク仁荷大学教授だ。
参考記事:韓国紙「日本の模倣を経て…韓国は文化輸出で一流に」「しかし政治は三流…ODAやPKOなど及ばない」
ユン教授は「しばらく前に《先進国》は永遠に私たちの手に入らないような《ユートピア》のように思われた」「究極の目的地のように考えられた」としつつ、「ところがその先進国がいつのまにか私たちの生活の中に空気のように入ってきた」と指摘し、国連貿易開発機構(UNCTAD)において韓国が開発途上国の地位から先進国に変更されたことやKPOPや『イカゲーム』などのコンテンツが世界的に人気を得ていることを伝えた。
ユン教授は「ところがおかしい」とし、「世界の人が共感して賛美した《パラサイト》と《イカゲーム》が仮想の世界ではなく、まさに私たち自身が直面した惨めな現実を赤裸々に見せた」「韓国の文化的成功は、自分の凄惨な苦痛までも商品にして売ってこそ、望みが叶うという韓国人の不気味な成長第一主義のためかもしれない」と嘆いている。
ユン教授はOECE加盟国の中で韓国の高齢者貧困率が圧倒的1位であることや、不平等指数も米国に次いで4位となり、自殺率も世界1位であることを挙げ、「過去30年間(1987~2017)、ほとんどのOECD加盟国で自殺率が減少したのとは対照的に、韓国の自殺率はなんと153.6%も増加した」と吐露している。さらに「合計出産率は人口学者たちが不可能だとしていた0.8台(2020年)を記録し、さらに低くなるという」とし、「もっと惨めな現実は《困難な時に頼る人がいない》と答えた国民の割合がOECD諸国の中で最も高かった」ことである伝えている。
その上で「奇跡のように先進国になったが、その先進国で生きていく人々の姿はまるでイカゲームのように一日一日が生存のための闘争だ」と述べた。
ユン教授は「(人々は)自分の社会的地位が両親の社会的地位によって決まる不平等な韓国社会に怒りながらも、本気で苦しむ人々の人生を《公正》という名で無視した」ことや、「結局、韓国人が怒ったのは、成長第一主義社会が生み出した不平等な結果ではなかった。韓国人が怒ったのは、隣人の安定した人生が私の機会をかっさらったのかもしれないということに対する怒りだった」と分析している。
その上で「社会が維持できないほど出産率が落ち、毎日毎日人々が自殺したり、産業災害で死んだりしても、青年の未来が親の社会的地位によって決まり、コロナパンデミックという不可抗力で自営業者が涙を流して生計を立てていても、韓国社会はそれが激しい競争の結果であれば一顧だにしない社会になったのだ」と強調している。
ユン教授はこのよう状況について「私たちが《成功》したからかもしれない」とし、「成長のために魂まで売り私たちの努力が奇跡的な成功を成したが、その奇跡のような成功のために私たちは《私と私の家族》以外は誰も信じない連帯のない社会を作ったからだ」と伝えている。
一方でユン教授は、「大企業が中小企業と協力しなければ成長することができ、人々が互いに連帯してこそ、より安全な人生を生きていく制度と構造を作り出せるなら、賢明な韓国人は過去にそうしたようにまたそのように行動するだろう」との希望も見せている。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「金の奴隷となり特権層の不条理があまりに多い」
「いつからうまく行かなくなったのか…互いが互いを信じず嘲ける日常になった」
「共感できない部分がある…文化は時代を反映して表現するものだと思う。自分の凄惨な苦しみまでも商品にするマインドを持つというよりは、現実を表現して共感を引き出しているからこそ良い結果を出したはず…」
「…連帯が不可能な社会といいながら答えは連帯かよ」
「最近では珍しく読む価値のある記事」
「左派たちは天国に行ってもここは地獄だと言うだろう」
「また途上国に戻る一歩手前だ。みんなが良い暮らしをする社会を保守派は嫌うのさ」
「不幸を扇動するメディアをすべて廃刊にすれば良い」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
参考記事:韓国紙「文大統領は自画自賛し、評価されないことに苛立つ…」「孔子の言葉《患不知人》を思い出す」