今月、韓国光州で建設中のマンションが崩壊事故を起こした件で、韓国紙が日本の状況などと比較して、自国の建設業界の「不健全」さに警鐘を鳴らしている。
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毎日経済新聞は27日、イ・ボクナム=ソウル大建設環境総合研究所教授の寄稿文『寿命が尽きた韓国建設生態系を手術しなければ』を掲載した。
イ教授は、光州マンション崩壊事故が発生してから2週間が過ぎても「土木・建築学術団体が何の意見も出さない」「事業者団体は低い工事費のせいとの見方を滲ませるも、沈黙が大勢だ」とし、「事故の責任から逃れようとする態度だ」と指摘した。そして「崩壊事故を収拾する過程で、建設業界の専門家や関係者は見えず、政治圏だけが前に出る」と述べている。
しかし、イ教授は「政府が出す対策では、類似の事故が繰り返されるという不安感を消せない」とし、「韓国建設生態系に対する根本的な問題を提起する専門家が見えない」「国内建設の生産システムは崩壊し、事業会社と技術者の職業倫理が失踪した」と批判した。
イ教授は「事故を予防する工学が消え、下請け・再下請け者だけがあり、当然でなければならない文書も見つけにくい」と指摘した。そして日本の「パークシティLaLa横浜」が2017年に工法ミスから全面撤去になった事例を取り上げつつ、「撤去と新築費用はもちろん、入居者に狂った損失の全額を現物と現金で補償することにした。事業者団体は関連会社の会員資格を奪った」と紹介した。
また「書類を操作し、これを黙認した技術者は技術者名簿から除名させ、責任者たちを検察に訴えた」とし、「日本の建設が国民の信頼を受ける理由は明確だ。民間団体の役割と責任が何かを分からせてくれる」と強調した。
イ教授は「(韓国)今の建設生態系では安全事故の再発を防ぐことは難しい」が、しかし、建設は国家と国民の生存に不可欠な産業であることから、政府と産業が連合して新しい韓国建設生態系を構築しなければならないと訴えた。
続けて「継ぎ接ぎの処方はだめだ」「既存の生態系破壊から生きる道を見つけなければならない時だ」と述べている。
同じ日、聯合ニュースは、韓国国交省建設事故調査委員会への取材をもとに、光州の崩壊したマンションの(通りを挟んだ)隣のマンションも崩壊の危険性があると報じている。
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