防米中のヨ・ハング韓国通商交渉本部長が27日(現地時間)キャサリン・タイ米国USTR(通商代表部)代表と会い、韓国鉄鋼産業に不利に適用されている米貿易拡張法232条措置を改善するよう要請した。
参考記事:米研究機関「バイデン政権はTPP復帰なく..新秩序つくり韓国入れる」 中国関与するTPPやRCEPをパスか
ドナルド・トランプ元米大統領在任当時、韓国とEU(欧州連合)、日本などに対して課された米国の鉄鋼輸入規制が現在、韓国にのみ不利に適用されている側面があるためだ。韓国経済界では大きな不満が出ていた。
ヨ本部長は韓米通商長官会談で「米国の鉄鋼232措置改善の必要性についてこれまで何度も議論したにもかかわらず進展が遅い」とし「国内的懸念が大きくなっており、早速改善しなければならない」と米側に促した。
米国はトランプ大統領在任当時の2018年3月貿易拡張法232条を適用し、EUと日本、中国産の鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%、10%水準の関税を課した。当時、韓国は関税の代わりに(2015~2017年の)鉄鋼完成品の平均輸出物量のうち70%まで米国輸出が許容されるクォーター制を選んだ。
しかしバイデン政権は最近EUに適用される鉄鋼関税を解除することに決定したことから、韓国鉄鋼業界は欧州企業に比べて不利な状況で米国に輸出することになった。韓国はクォーター制のため輸出物量に制限があり、市場シェアが下落する可能性があるからだ。
韓国政府は米側と様々な接触・交渉を行ったとされるが成果が出ていなかった。今回の韓米通商会談で解決されるかも不透明な状況だ。
韓国経済新聞はこれに先立つ26日、韓国政府の不備を強く批判する社説を掲載していた。同紙は「政府の対米通商外交に対する企業の不満が大きくなっている」とし、「産業界の声が米国側にきちんと伝わらない」状況であると明らかにした。
続けて「政府が米国側に何度も交渉開始を要請したという説明とは異なり、現場では《米国当局者は韓国の鉄鋼無関税要求自体を知らなかった》という話まで出ている」とし、「競争者である欧州連合(EU)と日本が既に関税を免除されたり免除交渉に入ったりしたが、韓国は政府と業界が《真実ゲーム》や繰り広げる情けない状況だ」と批判している。
一方で「米国側が聞いていないというときは交渉するつもりがないと見るのが正しいだろう」とし、「理由はあえて聞く必要もない。政府は米・中間の《綱渡り外交》が鉄鋼交渉に影響を及ぼした可能性を否定しているが、米国は韓国の親中の歩みに警告を送ったのが事実だ」「米国が鉄鋼交渉を《事実上拒否》しているのと同様に見るのが正しい」と伝えている。
その上で、ヨ通商本部長の訪米を取り上げ、「現在の鉄鋼関税問題を解くことができなくても、米国の真意を正確に把握してくれることを願う」と伝えた。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「…この5年間でどれだけ国益を失ったのか…」
「文政権は生まれてはいけなかった。尹錫悦候補を当選させ処理させよう」
「国益を優先せず理念によって5年間を政敵の圧殺に使った…」
「現政権が朴政権よりうまくやった事ってある?あ、見世物ショーか」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
参考記事:韓国紙「古鉄価格暴騰で各国が輸出規制」「日本が戦略物資化すれば韓国産業に広範なダメージ」