4日に行われた北京冬季オリンピックで韓服と推定される衣装を着た女性が中国少数民族の一人として出演したことについて、韓国メディアやネットでは反発の声が出ている。韓服をめぐっては、中国は数年前から「漢服」と称して中国起源であると主張してきた経緯があることから、韓国人を刺激したようだ。
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4日午後9時に開かれた2022北京冬季オリンピック開会式では、各界の中国人らが手で五星紅旗を伝えていく「国旗リレー」が行われた。子ども、社会指導層、国家勲章・名誉称号授与者や中国全域56の少数民族代表が参加して五星紅旗に対する愛情と絆を表した。
問題とされる場面はここだった。光沢のあるピンクのスカートと白のチョゴリを着た女性の姿が中継画面に映った。長い髪を編みこんで着飾ったこの女性は、韓服と推定される衣装を着ており、中国国旗の伝達に加わった。
韓国各紙は「また韓服を盗むのか」などの見出しでこのシーンを報じた。この日の開幕式には、ファン・ヒ韓国文化体育部長官が、まさに韓服を着て観覧していた。ファン長官は赤色の韓服コートを着て、太極旗が描かれたマスクをかけて開会式を見守っていた。そのようななか、開会式映像ではさらに、韓国の伝統の踊りである「農楽」や「チャンゴ踊り」の舞が中国の伝統文化のように描写されたシーンがあり、これも韓国各紙は一斉に報じている。
数年前から中国は2011年に朝鮮半島の代表的民謡アリランを国家文化遺産として登録し、議論に火をつけてきた。以後、パンソリなど韓国の伝統文化やキムチについても自国に由来したものだと主張するなどして韓国人の反感を買っている。
韓国最大野党「国民の力」のペ・ヒョンジン議員は4日、フェイスブックにおいて「北京オリンピックの準備映像において韓国文化を盗んで紹介していると昨年、国家監査であらかじめ警告をしていた。(ファン・ヒ)大臣は必ず留意すると言った」とし、「最小限の国民の自尊心、楽しんでみれる開幕式だったか」と問うている。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「中国人は自ら周囲に敵を作る技術がある」
「こういう動きが始まった初期から政府は強く抗議すべきだったが何もしなかった。日本相手だったらそうしただろうに、お前たちには考えというもがあるのか」
「これは何週も前から練習内容が公開されて分かっていたことなのに政府は何もしなかった…」
「最近、日本を嫌いだという奴ら、見たか?周囲には中国が嫌いな奴しかいない」
「日本の侵略は過去だが、中国の侵略は現在進行中だ。不買運動した奴ら、中国の侵略が嬉しいか?…」
「朝鮮族が韓服を着るのは当然のことじゃないのか?」
「韓服を着て出るとだめなのか?洋服は?」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
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