中国官営紙が、韓国で起きた中国人留学生暴行事件について報じるなかで、韓国警察側の「五輪と関係ない」という説明に疑問を呈している。
韓国で中国人留学生が暴行される 中国外交部「高度に注目」 韓国警察は「五輪理由」否定も、別の見方も
中国の官営媒体であるグローバルタイムズは最近、韓国内の反中感情と関連して「2022北京冬季オリンピックの審判紛争と関連して中国人留学生が最大の被害者となり、結果的に極端な差別を受ける可能性について注意を払わなければならない」とし、自国民の安全について警鐘を鳴らす記事を12日に報じた。
同媒体は事件捜査を管轄した韓国釜山の警察や韓国大使館側が「韓国内の反中情緒と無関係な事件」と説明したことについて疑惑の目を向けている。
先立って9日午後、釜山南区の路上で20代の中国人留学生Aさんが韓国人の30代男性など2人から暴行されたと通報した直後、出動した韓国警察は2人を任意同行させて簡単な調査はした後に返したことが明らかになっていた。
当時、事件を担当していた警察側は、該当事件が最近、北京冬季オリンピックの韓国失格判定によって沸き起こった韓国内の反中感情と関連性がないと明らかにした。捜査を管轄した関係者は、「道を歩いていて肩がぶつかり争いになったと見られる」とし「加害者が中国人を特定して暴行したわけではない」と説明したためだ。
この事件は中国でも大きな関心をもたれており、当該記事はアクセスが集中しコメントが殺到している状態だ。
同紙は、韓・中学者同好会のSNS公式サイトに掲載された匿名の学者たちの分析を引用し、「今回の事件が冬季オリンピックとは何の関係もないと韓国側は主張しているが、事件の犠牲者である中国人留学生は韓国人加害者を挑発しなかったことが確認された」と伝えた。
続けて「道で偶然に肩をぶつかって事件が発生したというのも事実とは異なる」とし、現在この問題は中国外交部が「最高水準」の関心を向けている特別事案であると指摘した。
同メディアは、韓国内在住中の中国人留学生たちのインタビューを載せた。ある中国人留学生は、学生や教授らが中国人を差別する言動をとったのを見たことはないとしつつ、「しかし明らかなのは授業時間中に中国の歴史と政治を扱うことには韓国と中国の立場の違いがはっきりしていることを感じることができた」ことや、「最近は外出するたびに緊張するのは事実」「地下鉄で韓国選手たちの試合を観覧する韓国人たちを頻繁に目撃するが、この時はすぐに場を避けて不要な葛藤を作らない」などと述べている。
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