米国市場で好調な韓国現代自動車に対して、米政府がこれに制限をかける方向に舵を切ったとの報道が出ている。
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アジュ経済紙は16日、『現代車があまりに好調なので米当局の牽制が始まった』とのタイトル記事を掲載した。現代自動車グループ昨年、米国市場で歴代最多販売記録を塗り替え、米市場でシェア10%、メーカー別ランキングで5位となっている。
同紙は、米自動車業界への取材をもとに「米国自動車安全規制当局は昨年12月から現代車と起亜のシータ2エンジンなどに対する欠陥調査をさらに強化することにした」とし、「自国産業保護に乗り出した米国が道路交通安全局(NHTSA)と捜査当局を動員して現代車を牽制し始めた」と報じた。
先立って、現代自動車と起亜はシータ2エンジンを搭載した車両のエンジン火災事件と関連して、2015年と2017年のシータ2エンジン搭載車両166万台に対してリコールを行った。2020年にはNHTSAと関連合意も取り、課徴金8100万ドルを払うことで行政手続きも終えた。しかし米当局はさらなる欠陥が発見されとし、リコール対象が既存の2倍に膨れ上がる可能性が生じているという。
アジュ経済は、「米国当局が、終結したはずの事件を拡大再捜査することにしたことで、状況は新たな局面を迎えた」とした上で、「終わったことを再び取り上げてくるので悔しい以外の何ものでもないはず」との米法律関係者の話を伝えた。
同紙は「米国当局は現代車のシータ2エンジン大規模リコール後も別のエンジン欠陥問題が発見され、再度調査に乗り出すという方針」だが、「しかし、米国の法曹界は、米国内の現代車グループの立地が高まるのを牽制するものだと口を集める」と伝えている。
続けて「世界貿易機関(WTO)が米国のセーフガードに否定的な態度を取っている状況で、追加的な関税規制は難しいと判断し、自動車安全規制機関を通じて現代車グループを圧迫しているという指摘だ」と述べている。
ただし「現代車はすぐに米国当局とのあいだで事を荒立てる戦略は避ける」とも伝えている。
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