韓国紙「ロシア制裁で韓国造船に打撃…LNG船7隻に43億ドル案件取消へ」「しかし中長期的には利益に」

ロシアのウクライナ侵攻により韓国の造船業がダメージを受けそうだ。近年、ロシアは韓国造船業界にとってお得意様だった。
 
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韓国経済新聞は25日、『主な発注先として急浮上していたロシア… 韓国造船業、経済制裁の影響は?』というタイトル記事でこの問題を取り上げた。

同紙は、米国など国際社会の対ロシア経済制裁が本格化するなか「最近、主要船舶発注国に浮上していたロシアが顧客群から除外される可能性も提起されている」と指摘した。

韓国の造船ビッグスリーである韓国造船海洋、サムスン重工業、大宇造船海洋らの受注残高のうちロシア船主から受注した船舶は大型液化天然ガス(LNG)運搬船7隻であり、ここにサムスン重工業は2020年から現在までに契約した約43億ドルに達するロシアLNGプロジェクトがある。

韓国経済新聞は「2010年代半ばからロシアは国内(韓国)造船企業の主要発注先として急浮上した」とし、「ロシアが北極海を通じた航路を商業的に利用しようとする計画を推進し、砕氷LNG船など北極海を航海できる船舶発注に乗り出したためだ」と説明した。

しかし、対ロシア経済制裁が本格化すればこれら韓国造船業者が打撃を受ける可能性があるとの専門家意見を挙げた上で、「ロシアのエネルギー企業が発注先であるだけに、彼らに対する金融制裁がなされた場合、注文の取り消し及び引渡遅延につながる可能性も提起される」と同紙は伝えている。

チョン・ドンイクKB証券研究員は25日、報告書を通じて「サムスン重工業の場合、経済制裁の内容によって支障が発生する可能性がある」とし「国際原油価格など原材料価格の上昇も確定価格で船舶を受注しておいた造船会社の立場では不利状況」と分析した。

一方で同紙など複数の韓国メディアは、最大発注国である欧州が、今後ロシア以外からLNG輸入を増やす可能性が高く、それによって韓国造船業へのLNG船発注が中長期的には増えるとの予想も伝えている。

ハン・ヨンス=サムスン証券研究員は「ウクライナ問題によりロシアからパイプラインを通じて天然ガスを輸入する欧州諸国がエネルギー安全保障次元で戦略的にLNG輸入比重を拡大する可能性がある」とし「今後国内造船会社にLNG関連 設備の発注が増える可能性がある」と述べている。
 
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