ウクライナ侵攻で西側諸国から経済制裁をかけられているロシアが、MSCI(モルガンスタンレーキャピタルインターナショナル)指数から退出する可能性が出た。ロシアが退出した場合、この資金が韓国証券市場に流入する可能性が浮上している。
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28日(現地時間)ロイター通信によると、MSCI指数研究責任者であり指数政策委員会の議長であるディミトリス・メラスは、「顧客と投資家が市場で取引できなければロシア証券市場を含めることは意味がない」とし、指数からロシアを除外させることを考慮しているという立場を明らかにした。
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米国など西側諸国は、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)決済網から排除する追加制裁を発表した。これにロシア中央銀行は金融市場崩壊を懸念して外国人の国内有価証券売却を禁止した。
MSCI側は近いうちに委員会を開催し、ロシアをMSCIEM(新興国)指数から除去する決定を下すとみられている。すでにMSCIは「MSCIロシア」指数を凍結し、先月発表した2月四半期のレビューによる編入種目変更も進行しないと明らかにした。
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これを受け韓国のアナリストなどからは、ロシアがEM指数から退出すれば、その資金が韓国証券市場に流入する可能性があると分析している。MSCI EM内ロシアの比重は約3.3%水準であり、韓国は約12%を占める。
イ・ギョンスハナ金融投資研究員は2日、ロシアのMSCI新興指数除外の可能性を「高く見ている」とした上で、「ロシアが新興国指数から除外されれば韓国への外国人(資金)流入はパッシブ資金のみを基準に約8千億ウォン(約764億円)が発生する」とし「新興市場のアクティブ追従資金を勘案すればさらに約3兆1千億ウォン(約2960億円)がさらに流入する可能性がある」と分析した。合計にして3724億円の流入があり得るとの見通しだ。
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さらにロシアのセクター別時価総額(流通基準)比重はエネルギーが50.4%、素材が23.3%であることを考慮して、エネルギー(5千200億ウォン=約500億円)と素材(5千500億ウォン=約524億円)業種への外国人資金流入可能性をイ研究員は強調した。
カン・ソンチョルユジン投資証研究員は「指数関連需給は韓国に反射利益になる可能性がある」と指摘している。
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