侵攻中のロシア軍で3人目となる将官級の戦死者が出たことが11日判明した。ウクライナ軍の思わぬ抵抗によって苦戦が伝えられるロシア軍だが、3人もの将軍の死は多すぎるとの指摘が西側メディアから出ている。
(参考記事:ロシア陸軍少将が交戦中に射殺 ロ将官級で3人目の戦死者に…ウクライナ紙や外信報じる)
アントン・ヘラシチェンコ=ウクライナ内務省長官は11日(現地時間)、ロシア陸軍29部隊所属のアンドレイ・コレスニコフ少将を交戦中に射殺したと明らかにした。西側メディアも「西欧の官吏」がこれを裏付けたと報じている。
これはウクライナ侵攻が始まって以来、ロシア軍としては3人目の将官級戦死者となるが、米軍事紙であるタスク&パーパス(Task&Purpose)は11日、「これまでに殺害されたロシア軍高官(将軍)の数が多いように見えるのは、ロシアのドクトリンとリーダーシップのスタイルの反映でもあるのだろう」と分析した。
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同紙は、過去にも「複数のロシア軍将校がシリアでの作戦中に死亡している」とし、2017年にヴァレリー・アサポフ中将がイスラム国陣地からの砲撃で死亡したことや、2020年にはヴャチェスラフ・グラドキフ少将がシリア軍とのパトロール中に即席爆発装置で死亡したことなどを挙げた。
続けて、米軍の将官級戦死者は、ベトナム戦争後はハロルド・グリーン少将1人のみとなっていることを挙げ、米軍にとって将官の死は珍しいことであるものの、ロシア軍に関しては「彼らは非常に積極的で個人的なリーダーシップをとる傾向がある」「そしてそれは、彼らが指揮統制をどのように実践しているか、どのように指導しているか、彼らの組織文化を反映している」とする専門家意見を伝えている。
同紙の分析を読んだ読者の一人は同記事へのコメントで、「ロシアの戦争に対する考え方は、何世紀にもわたる歴史と経験、特に大祖国戦争(独ソ戦)に基づいている。そして、戦術に至るまで彼らのドクトリンは進化している。このような場合、上級の指導者が前面に出てくる」と述べている。
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一方でインサイダー紙は10日、この問題を取り上げ、「これら(3人)の戦場指揮官の犠牲は、彼らが指揮する前線部隊に大きな犠牲が出ていることを示唆している」とし、ウクライナ軍の思わぬ徹底抗戦にロシア軍が予想外の打撃を受けた結果であるとの見方を示すと同時に、「対照的に、米国は20年間のアフガニスタン戦争全体で1人の将軍しか失っていない」と付け加えた。
(参考記事:ウクライナ紙「対露戦の秘密兵器が送られてきた…通称ハリネズミ」「ロシアも予想不可」)