韓国大統領選挙の結果をめぐって、台湾で国論を二分するかのような議論が行われていることが分かった。尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期韓国大統領が「サード(高高度ミサイル防衛システム)」の追加配備言及に関連し、「親中」と「反中」を問う議論が台湾政治家の間で交わされた。
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台湾や韓国メディアによると、台湾の吳斯懷国民党立法委員は去る10日、番組とのインタビューで「韓国で当選された新任大統領当選者がまさに親米、親日、遠中(※中国を遠ざける)を明らかにした」とし「さらにサードミサイルシステムの追加配備を強調した」と述べた。
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続けて「これは戦略的知恵が足りない表現だった」とし「中国にとって、そのような発言は一種の挑発で不適切な発言」と評した。台湾各紙はこの発言が尹次期韓国大統領の対中路線を批判したものであると解釈した。
これに対し、与党民進党の元首席である蘇貞昌行政院長は「この意見について賛成したり、彼ら(中国共産党)と文脈を共にしたりするのは台湾の主流世論ではない」とし、呉委員の発言を批判的に取り上げた。
与党民進党は11日、Facebookでも呉委員を批判するコメントを投稿した。
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民進党は「彼(呉委員)が過去の中国軍用機の台湾脅威は挑発ではないと述べ、中国メディアのインタビューを受け入れては共産軍に米軍に対抗して戦う方法を教えた」とした。続いて「彼は国会で《今日のロシアは明日の中共ではなく、今日の米国は明日も米国》という式の《アメリカ疑心論》を前面に出し、台湾と米国の関係を壊した。これは中国管営媒体の発言と全く同じだ」と批判している。
さらに「ウクライナの状況を見ると、自ら準備する者だけが外勢の侵略に対抗できることが分かる。しばしば国防をしっかりしなければならない」とし「中国と共に歌う彼(呉委員)の言葉は台湾社会の大部分が彼を親中で評価することと一致する」と述べている。
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国民党の朱立倫主席は11日、この批判の火消しをするように「韓国の軍事問題に関連してあまり多くの意見を持つ必要はない」とし「中華民国(台湾)は自主的で強力な国防力をしっかり維持することが必要だ」と話した。続けて「韓国と北朝鮮の状況は台湾海峡の状況と完全に異なる」とし「韓国が戦略的な力を堅持することが必要だ」と話した。
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