あるウクライナの兵士がロシア軍に発した言葉がきっかけで政府勲章を授与された。
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ウクライナ国防部は29日、国境守備隊員のローマン・フリボウに勲章を授与したことを明らかにした。
詳細を報じた英ガーディアンによると、ロシアのウクライナ侵攻開始当時、ウクライナ南端から48km離れた黒海上の小さな島であるズミニ島において、フリボウ隊員は他の国境守備隊員12人と共に領海を守っていた。
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この島は戦略的要衝地にあり、侵攻初日からロシア軍戦艦の標的にされた。ロシア軍は島にいるウクライナ国境守備隊員に投降を要求した。同時に、投航をしなければ砲撃すると脅した。
これに対してフリボウ隊員は無線でロシア側に対し「黙って消え失せろ」と一喝した。この交信内容は現地メディアが報道後、ソーシャルメディアを通じて世界中に拡散した。
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ロシア軍艦は島に砲撃を加え、隊員らはすべて死亡したものと伝えられた。これにゼレンスキー・ウクライナ大統領は彼ら称えて「ウクライナの英雄」であると持ち上げた。
ところが、この度、彼らが全員生きていたことが分かった。
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ウクライナ国境守備隊は、ロシア軍に捕らえられていた彼らが、去る25日に行われた最初の捕虜交換の対象者に含まれ解放されたと伝えた。
ゼレンスキー大統領は最近行ったロシアメディアとのインタビューで「当時、島にあった国境守備隊の一部は死亡し、一部は捕虜になった」とし「彼らは私たちが捕まえたロシア軍と交換してウクライナに戻った」と説明していた。
ウクライナ国防部は、フリボウ隊員が家に帰っており、彼が勲章を受ける映像をTwitterに公開した。
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