韓国企業が「高速鉄道用車軸ベアリング」の国産化目前 これまで日本などに全量輸入依存

韓国の高速鉄道運営会社であるSR社が「高速鉄道車両用車軸軸受(車軸ベアリング)」の実用化試験に完了し、国産化に迫ったことが分かった。韓国はこれまで車軸ベアリングは全量海外輸入に依存してきた。
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SRは韓国内のベアリング製作会社イルジングループベアリングアートと協力し、高速鉄道車両用車軸ベアリングの実用化試験を完了したと2日に明らかにした。

車軸ベアリングは、日本の対韓国輸出規制(輸出管理強化)を受けて韓国政府が進めた素材・部品・装置の国家研究開発(R&D)国家課題として開発された。

車軸ベアリングは走行装置の車軸に取り付けられる部品で最高330km/hの高速回転を滑らかにする装置だ。現在までドイツと日本、フランス、米国など一部の国でのみ製作されている高速鉄道車両の中核部品だが、SRは国際基準に沿った実用化試験に今回成功したと発表している。

SRは今回の試験において、300㎞/hで走行中に発生する重量と衝撃に耐えうる品質を確認するため、車両の実際運営と同等の環境を構築し、増速試験やリアルタイム監視、メンテナンス中の検査など4段階の管理体系を樹立したと説明している。

SRは、該当部品の国産化に成功すれば、サプライシステムに困難を抱えている世界市場にも安定的に部品を供給できると展望している。

また、年間約30億ウォン(約3億円)とされる輸入依存度も大きく下げられ、年間500億ウォン水準と推算される海外市場にも進出できると期待している。

イ・ジョングクSR代表取締役は「国内鉄道産業と脆弱な素材・部品・装置産業の発展のため、政府とSR、ベアリングアートがとった努力が結実を結んだ」とし「今後、国内の列車運営会社はもちろん海外鉄道市場にも進出するよう努力する」と話した。

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