韓国中銀が追加利上げか 通貨政策会議の議事録で判明…「米に先んじて」 

韓国銀行(中央銀行)の金融通貨委員会(金通委)委員5人のうち4人が、先月開かれた通貨政策方向会議において追加基準金利の引き上げが必要であると述べたことが分かった。これにより韓国銀行が7~8月まで連続で金利を上げる可能性が高くなったとみられる。
(参考記事:韓国銀行レポート「家計貸付縮小で銀行の企業融資が歴代級の大幅増に」(22年5月動向)

韓国銀行が14日、ウェブサイトに公開した同委員会議事録(5月26日開催)によると、同委員5人全員が基準金利決定において最も注目するリスク要因として物価上昇圧力を挙げたことが分かった。金通委は先月、通貨政策方向会議において委員5人の満場一致によって、基準金利を年1.5%から1.75%へと0.25%ポイント(p)引き上げている。

委員らは最近の高物価の流れが一時的な現象にとどまらず長期化される可能性が大きくなったとして、基準金利引き上げ基調を続けなければならないと主張した。韓国の消費者物価上昇率は先月5.4%となり、14年ぶりに最高値を記録した。

ある委員は「国内物価上昇税が一時的変動ではなく中長期的インフレ現象としての姿が目立っている」とし「最近の成長鈍化に対する懸念があるが、物価上昇税が拡大するほど今後より緊縮的な政策対応が不可避であり、これは結局、より大きな成長損失を伴うという点でインフレの拡散と固着化を防止することが何よりも重要だ」と述べた。

彼はウォン・ドル為替レートが1250ウォンを超えるなど高水位を続けている点も追加物価上昇圧力として作用していると評価した。該当委員は「ウォン・ドル為替レートが世界のドル貨幣の勢い牽引され、大幅に上昇したが、追加的な物価上昇要因となっているだけでなく、ボラティリティ拡大による金融不安定要因として作用しうることに留意しなければならない」と指摘している。

他の委員は「物価の場合、需要と供給側圧力が同時に増加し、供給側ではエネルギー、原材料、穀物、為替レートなどのショックが重なるという、(過去に)例を探しにくい状況が展開されている」とし、「景気と物価の間の相反関係が深まったが、GDPギャップがプラスの状況で物価ギャップが大きく拡大したという点で物価対応に優先順位を置く必要がある」と話した。

米国連邦準備制度(Fed)を含む主要国中央銀行が緊縮に速度を上げれば国内(韓国)金融市場不安が大きくなる可能性があるため、韓国銀行も先制的に金利を引き上げで歩調を合わせなければならないという意見も出た。

ある委員は「当分5%台の高い物価上昇率が持続し、来年も物価安定目標(2%)を大きく上回る物価経路が予想されるうえ、米国と主要国の急な金利引き上げが予見される状況で先制的な通貨政策対応が必要だ」と述べている。

金融通貨委員会議事録(韓国語)のURL:https://www.bok.or.kr/portal/bbs/P0000559/view.do?nttId=10071066&menuNo=200690&pageIndex=1

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