SKハイニックスが半導体必須原料である「ネオン(Ne)ガス」の国産化に韓国企業としては初めて成功した後、プロセス導入比重を40%まで拡大したと明らかにした。
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これを通じてSKハイニックスは不安定な国際情勢のなかでも、安定してネオンの供給を受けており、購入費用も大幅に削減できるようになったと説明した。今後SKハイニックスは2024年までにネオン国産化比重を100%に拡大する計画だ。
これまで韓国の半導体企業はネオン供給を輸入のみに依存してきた。ここ数年間、海外の主要生産地域の国際情勢が不安になり、ネオン価格が急騰する兆しを見せていたなか、SKハイニックスは需給不安リスクを予め解消するため、協力会社である半導体用ガス製造企業のTEMCおよびポスコと協力してネオンを国内で生産する方法を模索した。
空気中の希薄なネオンを採取するためには、大規模なASUプラント(Air Separate Unit:空気分離装置)が必要で、初期投資コストが多く発生する。しかし、SKハイニックスのネオン国産化趣旨に共感したTEMCとポスコが参加し、既存設備を活用し、少ないコストでネオンを生産する技術を開発したという。これにより生産された国産ネオンをSKハイニックスが評価/検証する方式で今年初めの国産化に成功した。この韓国産ネオンはポスコで生産された後、TEMCの加工を経て最優先でSKハイニックスに供給されているとのこと。
ネオンは半導体露光工程に使用されるエキシマレーザーガス(Excimer Laser Gas)の主材料である。エキシマレーザーガスは非常に短い波長の紫外線であるエキシマレーザを発生し、エキシマレーザはウェハ上に微細な回路を刻むときに使われる。エキシマレーザーガス成分の95%がネオンであるが、ネオンは空気中に0.00182%しか存在しない希少資源である。
SKハイニックスは今年4月から韓国で初めて半導体露光工程に国産ネオンを導入し、現在まで全ネオン使用量の40%水準を国産に置き換えた。 2024年にはネオン全量を国産品に置き換える予定だ。
この他にもSKハイニックスは来年6月までエッチング工程*に使われるクリプトン(Kr)/キセノン(Xe)ガスを国産化して原材料需給リスクを最小化し、先端半導体技術開発に必要な資源を持続的に確保する計画だという。
SKハイニックスFAB原材料購買担当ユン・ホンソン副社長は「不安定な国際情勢で不安な供給状況でも国内協力会社との協業で需給安定化に大きく寄与した事例」であると述べ、「持続的な協力を通じて半導体原材料供給網を強化する計画」と明らかにした。
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