聯合によると韓国の検察は22日未明、文在寅(ムン・ジェイン)前政権期に黄海上で起きた北朝鮮軍による韓国人男性公務員の射殺事件を巡り、当時の国防部長官だった徐旭(ソ・ウク)氏と海洋警察庁長だった金洪熙(キム・ホンヒ)氏を職権乱用や虚偽公文書作成などの容疑で逮捕した。ソウル中央地裁が、検察が請求した2人の逮捕状の発付を認めた。
地裁は「証拠隠滅と逃走の懸念がある」と逮捕状の発付理由を説明した。2人の逮捕により同事件に関連した前政権の安保担当高官らに対する捜査にも弾みがつきそうだ。
海洋水産部所属の公務員だった男性は2020年9月、北朝鮮に近い韓国北西部の小延坪島付近で漁業指導船乗船中に行方不明となり、翌日に北朝鮮側海域で北朝鮮軍に射殺された。
徐容疑者は、男性が自ら北朝鮮に渡ったとする政府の判断と食い違う内容の傍受情報などを収めた軍事機密を軍事統合情報処理システムから削除したり、軍合同参謀本部の報告書に虚偽の内容を記したりするよう指示したとされる。金容疑者は同事件の経緯を捜査した海洋警察庁のトップだった。
監査院が今月13日に発表した監査結果によると、男性が射殺された翌日の20年9月23日午前1時に関係閣僚会議が開かれ、会議後に徐容疑者の指示により同システムに登録された軍の諜報(ちょうほう)に関する報告書60件が削除された。
当時の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が主宰したこの会議には、徐容疑者をはじめ朴智元(パク・ジウォン)国家情報院長、李仁栄(イ・イニョン)統一部長官(いずれも当時)らが出席した。射殺事件を男性が自ら北朝鮮に渡ろうとして殺害された事件と位置付けるため、国家安保室の主導の下で国防部や国家情報院などの関係機関が証拠を隠蔽(いんぺい)、改ざんしたと監査院は判断している。
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