「露軍戦死者の60%は味方に殺された」親露勢力司令官

ロシアのウクライナ侵攻で始まった戦争が9ヶ月目に突入するなか、戦死したロシア軍の多くが味方の攻撃で命を失ったという分析が出ている。同分析は親ロシア勢力の司令官が出所であるという点でさらに衝撃を与えている。
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ウクライナの親ロシア勢力の一つであるドネツク人民共和国(DPR)のボストク(東部)大隊のアレクサンダー・コダコフスキー司令官は「南部マリウポリを陥落した去る5月、ロシア軍損失の60%はロシア軍によって発生した」と述べた。

続けて、「迫撃砲部隊が電子標的システムを使用できなかったために味方に向けて砲を撃ち、通信不良も深刻で(適切な状況把握なしに)味方戦車のルートに地雷を設置したりした」と付け加えた。

実際、最近ウクライナ軍に捕虜になったロシア兵たちは、3日、戦場でウクライナ軍ではなく味方の砲撃を受けたという主張を行っている。

また去る9月中旬には、東部ルハンスク州でロシア軍部隊が互いに銃撃戦を繰り広げた末に21人が死亡し、50人余りが負傷した。

これに先立つ7月にも、ロシア軍が南部戦線ヘルソン州で自国軍の保有する攻撃ヘリコプター1台を撃墜した。当時味方の攻撃で破壊された攻撃ヘリコプターは、一機当たり20億円以上とされるKa-52アリゲーターだった。

コダコフスキー司令官は、ロシア軍の損失の60%は味方によるものだという主張の正確な根拠を明らかにしていないが、専門家たちはウラジミール・プーチン・ロシア大統領が最近、将軍を次々に解任した後、軍内部の連携が悪化したことを意味する指標だと分析した。

米国のシンクタンクである「戦争研究所」は「部隊間の相互連携が不足して司令官が頻繁に交換されるなど指揮命令システムが混乱し、味方同士を攻撃する事例が頻繁になったと見られる」と分析した。

続いて「一般的に、戦争で味方の攻撃は一定部分の兵力損失の原因になることがありうるものだが、総死傷者の60%も占めることはない」とし「これはロシア軍内部の通信及び指揮システムが欠けていることを示す」と付け加えた。

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