「円安のせいで韓国の輸出額2.2兆円が吹っ飛んだ」韓国シンクタンク分析

急激な円安で、韓国の今年の輸出が168億ドル(約2.2兆円)も減少したという研究結果が出た。
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韓国経済研究院は17日、「超円安が韓国の輸出に与える影響と示唆点」という報告書を通じて、日韓の製造業間の輸出競合度は主要国の中で最も高く、超円安の影響で韓国の輸出が9月累計基準で168億ドル減少したと明らかにした。

輸出競合度とは、両国の輸出構造の類似性の程度を測定したものである。 0から100の値を持つが、両国の輸出構造が同じ場合は100、まったく異なる場合は0の値を持つ。値が高いほど、輸出構造が似ていることになる。日韓の輸出競合度が最も高いということは、日本が米国、ドイツ、中国、英国、台湾よりも製造業において韓国と競争する品目が多いことを意味する。

円安は日本企業と競争する韓国の輸出品の価格競争力の下落につながるため、韓国内の石油化学・自動車・鉄鋼業界などが大きな影響を受ける可能性がある。韓国経済研究院は日韓製造業の輸出競合度が周辺国と比較したとき最も高いことに注目した。韓国の輸出も製造業が占める割合が大きいだけに、円安の長期化は韓国企業に悪影響を与える可能性があるからだ。

韓国経済研究院の分析によると、円ドルの為替レート上昇率が1%p上昇(円が1%p切下)すると、韓国の輸出価格は0.41%下落し、輸出物量は0.20%p減少することが分かった。これにより輸出金額増加率は0.61%p低くなる。

今年第1~第3四半期のうち、ドルレートの上昇率は17.91%であり、ウォンドルの為替レート上昇率の12.05%に比べて5.86%p高いことが分かった。

韓国経済研究院の推算結果では、円ドル為替レート超過上昇がなかった場合、9月の累計輸出額は5417億ドルだが、実際の輸出額は1249億ドルとなった。この差額は韓国9月の累計貿易赤字288億9千ドルの58.2%に相当する数値だ。

韓国経済研究院のイ・サンホ経済調査チームチーム長は、「最近になり円安が収まり始めたが、まだ見守らなければならない状況だ」とし、「円安が長期化するほど韓国内の輸出企業が影響を受けるしかないので、日本製品と競争する高付加価値品目に対するR&D支援が必要だ」と言った。

チュ・グァンホ経済政策室長は「超円安の様相が深まれば韓国をはじめとする主要輸出国が否定的影響を受けることになり、日本にも得るものはない」とし「超円安の否定的影響を緩和するための国際共助努力が必要だ」と強調した。

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