米国防省の元高位者が、日本が北朝鮮に反撃能力を行使する際に韓国政府の許可を得る必要はないと明らかにしている。
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米国防総省が運営するメディア「VOA(ボイスオブアメリカ)」韓国語版は17日、ハイノ・クリンク(Heino Klinck)元国防次官補代理のインタビュー記事を掲載し、このような内容を報じた。
クリンク元次官補代理はまず、日本の安全保障文書の改正について「戦後の日本の歴史において非常に重要な瞬間だ」とし、「日本は今後5~10年間、防衛費をGDPの2%水準に増やす計画だが、NATOの水準と同じで合理的な投資だと思う」と指摘。
敵基地反撃については「 敵国が攻撃するときに反撃能力を行使するのは合理的であるだけでなく、国家の責任でもある」「 したがって、私はこの動きに拍手を送る」と述べている。
続けて、北朝鮮のミサイル発射に日本が反撃能力を行使する際に韓国の同意が必要になるかという記者の質問に対しては「いや、そんな状況では韓国政府のいかなる許可も必要ないと思う」とし、「正直なところ、他の国の許可は必要ない」と答えている。
クリンク元次官補代理は一方で「ただ、北朝鮮のミサイルが日本上空を通過するからといって、日本が反撃能力を必ず発動するとは思わない」とし、「私は、日本が必ず必要な時だけ、その能力を使うよう強力な交戦規則を立てると確信している」と付け加えた。
一方で日本政府は16日、敵のミサイル基地などを攻撃できる「反撃能力」保有を宣言したなか、有事に北朝鮮に対して反撃能力を行使する際、韓国政府の許可が必要ないという立場を明らかにしている。
日本政府関係者は16日午後、外信を対象とした「日本の国家安全保障戦略」のブリーフィングにおいて、「日本が北朝鮮に反撃能力を行使する場合、韓国政府と協議するか」という韓国聯合ニュース の質問に対し「反撃能力行使は日本の自衛権行使であり、他国の許可を得ることではない。日本が自ら判断するだろう」と答えた。
聯合ニュースによると、この関係者は「反撃能力を発動する場合は非常に切迫して緊急な状況だろう」とし、「このような場合、韓国と協議をしたり、事前に許可を得たりする余裕がないだろう」とし、このように述べた。
しかし、「反撃能力行使を決断する時は、情報収集と分析という観点から、米国や韓国と必要な連携をすることはあると思う」と付け加えている。
聯合によると韓国外交部当局者はこの日、「韓半島対象反撃能力行使のように韓半島安全保障及び韓国の国益に重大な影響を及ぼす事案は、事前に私たちとの緊密な協議及び同意が必ず必要だ」と述べている。
韓国軍関係者も「日本領土内で自衛権を行使することと朝鮮半島で戦闘機やミサイルなど日本の戦力が進入するのは全く違う問題」であるとし「日本の戦力を、北朝鮮を含む韓半島地域に投入するには必ず韓国政府承認が必要であり、承認なしではだめだ」と強調したと聯合は伝えている。
韓国の憲法では同国の領土を「朝鮮半島とその附属島嶼」と規定しており、北朝鮮は韓国領土に該当するため、韓国の承認のない日本戦力の北朝鮮進入や攻撃はあり得ないという立場を韓国政府はとっている。
※写真:U.S. DepartmentofDefense
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