【特集】韓国スーパーカー列伝➀ 財閥子孫が大金投じ開発した845馬力夢の国産車…しかし

スーパーカーといえばフェラーリ、マクラーレン、ランボルギーニなどの名が浮かぶ。日本だとトヨタ2000GTに始まり、ホンダNSX、さらにレクサスLFAなどが思い浮かぶが、では、韓国産のスーパーカーは存在するのだろうか?

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結論からいえば存在する。それも複数だ。

まず紹介するのはドゥ・マクロスという会社が作った「エピックGT1」モデルだ。日本人はほとんど知らないかもしれないこの車だが、韓国初のスーパーカーとして自動車愛好者の間では今も語り継がれている。

De Marcross

財閥の御曹司の「道楽」として始まった。「ドゥ・マクロス」という会社は、韓国の財閥大手GSグループの創業者ホ・マンジョン会長の曾孫であるホ・ジャホン氏が設立した会社だ。彼は普段車に非常に関心が多くクラシックカーやスポーツカーを収集するのが趣味だったが、それが高じ、自らスーパーカーを直接作りたいという夢を持つことになる。

そして彼はすぐに実行に移した。ホ氏はドゥ・マクロス社を創業し、作りたかったスーパーカーのデザインや開発などを自ら主導した。そして誕生したのが「ドゥ・マクロス・エピックGT1」だった。

エピックGT1は60〜70年代のルマンレースカーからインスピレーションを得てデザインされたことから、ルックスや社内デザインはクラシックな感性が詰まっている。

ただし、一点残念な点を挙げると、エピックGT1は韓国初のスーパーカーという触れ込みだが、実際には韓国で製作されていないという点だ。それは韓国車ではないのではないかとツッコミたくなるが、とりあえず資本家と初期構想を練ったのは韓国人(ホ氏)であることから、韓国車ということになっている。

De Marcross

エピックGT1はカナダの「マルチマティック(Multimatic)」で生産された。同社は米国GMやフォードにサスペンション部品を納品したり、レッドブルF1レーシングチームマシンのサスペンション設計を引き受けたりするなど有力なサプライヤー企業だ。エピックGT1はそこで開発から完成までが進められた。(つまり関税法上ではカナダ製ということになるはずだが、そこには立ち入らないでおこう)

エピックGT1は、自動車で最も重要なプラットフォームであるアルミとカーボンファイバーを活用し、剛性を確保しながらも軽量化を同時に行われた。 エンジンやサスペンション部品もアルミニウムを積極的に使用され、その結果、重量は1,450kgと軽量に仕上げらえた。 また、5.4リットルのV8スーパーチャージャーエンジンを搭載し、最大845psの馬力を誇った。

エピックGT1は2011年ドバイモーターショーに出品され、それなりに注目を集めることに成功したようだ。しかし150万ドル(当時で約1.7憶円)という高価な値段や、韓国というスーパーカーでは聞きなれない製造国名から、注文が入ることは無かったという。ちなみにエピックGT1は手製生産で、生産期間は6カ月かかったとのこと。

De Marcross

結局エピックGT1が量産されることはなく、最初の1台だけが存在していただのが、なんとこの1台はその後、大破している。この1台を買ったとみられるオーナーが2015年に、破損したエピックGT1の写真とともにSNSに写真を投稿したことで判明した。同オーナーは「ああ..ため息しかないです」と呟いている。

ところが翌年(2016年)全羅南道庁の展示会になぜかエピックGT1が展示された。見た目に破損した個所はなく、修理されたのか、再び生産されたのかは明らかになっていないが、いずれにしろこれが最後のお目見えとなった。まさに幻のスーパーカーと言える。

韓国ポベドリーム

と、このように、第三者からみれば黒歴史のようにも映る韓国初のスーパーカーだが、韓国の自動車メディアや自動車愛好家コミュニティの間では、挑戦しただけでも大きな足跡だったというような、一種の愛情をもって称えられている。スタートアップ気質の国民性を持つ韓国らしい評価だ。(次回につづく)

(コリア・エコノミクス編集部)

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