韓国紙「日本でドローンタクシーが初飛行…機体は中国製」「176兆円市場は中国主導」

韓国の通信社ニューシスやニュース1はNHKなどの報道を引用し、次世代移動手段として開発中の「空を飛ぶ自動車」が17日、大分市で人を乗せて高度30mで試験飛行に成功したと報じた。国土交通省によると、屋外で同自動車の有人試験飛行が行われたのは初めてだとのこと。

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「空飛ぶ自動車は」はドローンなどの技術を応用して電力をエネルギー源として使用し、垂直離着陸が可能な点などを特徴とする次世代移動手段として期待されており、世界的に開発競争が激しくなっている。

この日、大分市沿岸での試験飛行に使われたのは、岡山県の社団法人MASCが所有する「EH216」という中国製品で、全長と幅は5.6m、高さは1.7mに16個のプロペラが付いた2人乗りで、操縦者は乗らず、あらかじめプログラムされた経路を自動的に運航した。EH216のメーカーであるEHangも飛行の様子を公開している。

試験飛行は関係者2人が搭乗後30mの高さまで垂直に離陸、約3分30秒間毎秒10mの速度で飛行した後、再び垂直に着陸した。

大分での飛行の様子/EHang

電動、垂直離着陸などが特徴の「空を飛ぶ自動車」は、既存の航空機やヘリコプターに比べて運航コストや騒音、二酸化炭素排出量を抑えることができると考えられる。

民間調査会社の矢野経済研究所は、2050年の世界市場規模が120兆円を超える産業に成長すると予測している。

一方、韓国では2020年11月にソウルで「空飛ぶ車」の飛行テストが行われている。ここで用いられた機体も日本と同じく中国製の「EH216」だった。なぜ中国産を使うのかという声も当時韓国ではあったが、答えはズバリ「中国産しかない」からだった。

この分野の専門家は当時、韓国経済新聞の取材に対し「韓国のドローンタクシー技術は中国に比べて4~5年遅れている」とし「数年以内にこの格差を減らさなければ、2040年年1700兆ウォン(約176兆円)規模と予想される都心航空市場の主導権を中国に渡すことになるだろう」と答えている。

EH216のメーカーであるEHangは世界最高の個人用飛行体製造技術を保有した企業として評価されている。都心航空モビリティ(UAM)の可能性を初めて提示した企業だ。2012年から個人用飛行体の開発を開始し、2016年CESでEH184を初公開して注目されたパイオニアだ。2019年には米国ナスダック市場に上場した。同社は、自律飛行制御技術、安全性と信頼性の高い電動ドローン技術、5Gネットワーク通信技術を活用し、革新的なドローン製品を開発している。

EH216

EHangは昨年4月にはインドネシアの航空会社Prestige AviationからEH216を100台受注したことを発表した。昨年10月にはスペイン国家警察が導入に向け飛行テストを行ったことも明らかにしている。同社は世界中でドローン配送や人員輸送の実証実験を行っており、将来的には都市の空中移動手段として採用されることを目指している。

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