韓国紙「サムスンの半導体部門が類例のない不振に」 リーマンショック時の数倍赤字か

サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンなどメモリ半導体主要3社の第1四半期(1~3月)の実績不振が予想よりはるかに深刻だという分析が出ている。

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中央日報は先月28日の記事において、「サムスン電子がメモリ事業で今月に2兆ウォン台の営業赤字を出したとされる」とし、過去20年で最悪の実績になる可能性があると伝えた。

中央日報の当該記事原文:https://www.joongang.co.kr/article/25143834#home

同紙によると、匿名を望んだ複数の半導体業界関係者は「サムスン電子内部で第1四半期のメモリ事業で最大4兆ウォンの損失が出るという報告が上がったことが分かっている」と述べたという。

一方、同じく韓国メディア「THE ELEC」も3日、半導体業界の情報をもとに「サムスン電子は昨年12月のメモリ事業でのみ1兆ウォン(約1040億円)近い赤字を出したのに続き、今年1~2月にも3兆ウォン(約3140億円)近い損失を出したと推定される」と報じた。

メモリ半導体(DRAM)

THE ELECの当該記事原文:https://www.thelec.kr/news/articleView.html?idxno=20023

同紙はエレクトロニクス専門の有力紙だ。

サムスン電子がメモリ事業で3カ月間に3兆~4兆ウォンの赤字を記録したのは類例のないことであり、金融危機のあった2008年でも約6900億ウォンの赤字に留まったことから、その規模の深刻さが計り知れる。

同紙は、「サムスン電子がDRAMやNANDフラッシュなどメモリ市場でこれほど規模の赤字を記録すれば、SKハイニックスやマイクロンも大幅な損失を避けられないものと見られる」と予想した。

同紙は、第1四半期におけるこれら3社の総営業損失規模は最大10兆ウォンに迫ると見ており、「在庫状況を勘案すれば今年だけでなく、来年の業況も悪い可能性を排除できない」とする業界関係者の見方を伝えている。

メモリ半導体市場はサムスン電子(韓国)とSKハイニクス(韓国)、マイクロン(米国)の三社の寡占状態となっている。

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