韓国紙「日本がWTOの代替組織に加入」「韓国にも圧力可能性」

韓国聯合ニュースは10日、ロイター報道を引用し、日本が、機能が事実上停止している世界貿易機関(WTO)上訴機構の代替組織である「多数国間暫定上訴仲裁アレンジメント」(Multiparty Interim Appeal Arbitration Arrangement-MPIA)に加入したと報じた。

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日本経済産業省はこの日、「暫定措置として(WTO上訴機構の)紛争解決機能が回復するまでMPIAに参加することにした」と発表した。

MPIAは、米国がWTO紛争解決の最終審を担当する上訴機構に不満を申し立て、委員の任命を拒否して機能が事実上停止したため、欧州連合(EU)など一部の加盟国がその空白を埋めるために作った臨時機構だ。

MPIAを主導する欧州連合もこの日、日本のMPIA加入を歓迎する声明を発表している。

MPIAは欧州連合(EU)、中国、カナダなど15のWTO加盟国が参加した中で2020年3月に発足し、日本の加入で参加国は26カ国に増えた。

聯合はMPIAがウェブサイトで「日本の加入により、韓国や英国のように加入を躊躇している潜在的な加盟国に対する圧力が高まる可能性がある」と期待していることを伝えた。

ロイターは、WTO上訴機構の機能麻痺は、紛争で負けた側が上訴する手続きが法的空白に陥ったことを意味し、これにより紛争をWTOに提訴するケース自体も減ったと伝えた。

一方、韓国は現在、日本が2019年7月にとった韓国への半導体素材3品目輸出規制(輸出管理強化)について、翌年にこれをWTOに提訴しているが、約3年が経つ現在に至っても判決が出ていない。

日本と韓国のメディアによると、日本政府は韓国が本件のWTO提訴を取り下げれば、輸出規制を解除する方向で現在交渉が行われていると伝えられる。

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