韓国紙「理研が量子コンピューターを外部解放で人材育成」…韓国は日本の半分以下の専門家数

聯合ニュースなど複数の韓国紙は、日本メディア報道をもとに、日本の国立研究機関である理化学研究所(RIKEN)が27日から外部共同研究者が量子コンピューターを利用できるようにしたと報じた。

(参考記事:韓国紙「日本が2025年に量子コンピューター実用化へ」…スパコンでは日韓格差大きく

報道によると、まず大阪大学などの共同研究機関が量子コンピューターを利用でき、段階的に産業界に利用対象が拡大される。

商業的目的でなければ利用申請ができ、クラウドを通じて量子コンピューターに指示を出せば結果を得ることができる。

理化学研究所がまだ開発段階の量子コンピューターの外部利用を許可したのは、アルゴリズムの改善と人材育成、活用方法の模索などのためだ。

量子コンピューターは既存のスーパーコンピューターより計算速度が1億倍以上速く、スーパーコンピューターでも難しい原子や電子レベルの精密な模擬実験が可能だという。

日本政府は、量子技術を経済安全保障上極めて重要な関連技術として捉え、関連技術の保有と人材育成を推進する戦略を策定した。理化学研究所などの研究チームが協力して開発を進めてきた。

量子コンピューターは、製薬やエネルギー、自動車、金融など幅広い産業で競争力を左右すると予想されている。気候変動問題にも解決策を提示できるとの期待も出ている。

半導体材料開発、膨大なデータを扱う人工知能(AI)分野でも活用される見通しだ。量子コンピューターは経済安全保障上重要な技術として扱われ、国家独自の技術を保有する必要性が高まっている。

ただし、現在の量子コンピューターは動作が不安定で計算エラーが発生しやすく、断片的な計算しかできない。スーパーコンピューターで量子コンピューターによる多数の断片的な計算結果を整理、補完する必要がある。

一方、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が発表した量子技術関連の報告書(PDF/ハングル)によると、韓国の量子コンピューター専門人材(264人)は日本(622人)の2分の1以下となっている。米欧中はそれぞれ3千人超の人材を抱えており、さらに差がある。

KISTIの当該報告書(PDF/韓国語):https://repository.kisti.re.kr/bitstream/10580/17724/1/KISTI%20이슈브리프%20제44호.pdf

そのため、韓国政府は量子技術へのテコ入れを検討しており、今月初め、約1兆ウォン(約1千億円)規模の「量子科学技術フラグシッププロジェクト」の予備妥当性調査を申請したことが分かっている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは以下のようなコメントが投稿されいている。

「韓国でも世界初という触れ込みで税金を使い込む例があるが、ある程度実用化できてから発表した方が良いよな」
「米国では2年前にやってることじゃないかな」
「韓国にはまだ難しい技術だな。日本は世界2位の先進国だけある」

以上 コリアエコノミクス編集部

(参考記事:韓国科学技術院「レーザーで原子をキャッチボールする技術を開発」
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