英国政府が最大300kmの射程を持つ「ストームシャドウ(Storm Shadow)」空対地巡航ミサイルをウクライナに支援していることを11日明らかにした。
ウクライナがロシアに対して「春の大反撃」を予告した中、米国が提供することを躊躇している長距離ミサイルが供給されたことから、今後の状況展開が注目される。
ベン・ウォレス英国国防長官は、この日(11日)下院に出席し、ストームシャドウミサイルをウクライナに送ったと発表した。
その上で「ウクライナ軍が領土内でロシア軍の後方を深く打撃する能力を備えることになるだろう」と説明した。
ただ、どの程度の数量をどのようなスケジュールでウクライナに送ったのかは明らかにしなかった。
「ミサイルが現在ウクライナに入るか、すでに到着している」とだけ言及した。
ストームシャドウは航空機から発射する。ウクライナ軍は保有する旧ソ連製戦闘機などにストームシャドウを搭載するための準備作業を終えたことが、この日(11日)明らかになった。
■打撃可能距離3倍拡大
イギリスとフランスが共同開発したストームシャドウは、輸出用バージョンの場合、有効射程が250kmを超えます。その後、精度が調整され、最大300kmのターゲットを攻撃することができる。
国内向けバージョンの射程距離は最大560kmに達する。
現在、米国がウクライナに提供している高速機動同胞兵ロケットシステム(HIMARS-ハイマス)の射程は80kmに限られている。
したがって、ウクライナ軍がストームシャドウを実戦で使用すれば、少なくとも3倍以上の遠方への打撃能力を持つことになる。
また、ウクライナ軍の戦闘機が最前線から離れた場所で運用できるため、ロシア軍のレーダー網に捕まるリスクを大幅に減らすことができる。
さらに、ストームシャドウは発射直後に海抜30~40m程度の非常に低い高度で飛行するため、レーダーの電波が届く範囲外で目標物まで到達することができる。
加えて、ウクライナ軍の戦闘機がある程度前進操縦して発射すれば、ストームシャドウはロシア領内に到達する可能性がある。
キエフポストなど現地メディアは、ウクライナ軍がストームシャドウで打撃可能な地域にロシア本土南西部の主要都市が全て含まれると報じている。
■ロシアの即時反発
ロシアは即座に反発した。
クレムリン宮殿のドミトリー・ペスコフ報道官は、この日(11日)のブリーフィングで、英国のストームシャドウウクライナ提供に関する質疑に「我が軍が必要な対応をしなければならないだろう」と述べ、報復計画を示唆した。
■ウクライナ 揺るぎない要請
ウクライナは昨年2月の開戦初期から米国と欧米主要国に長距離ミサイルの提供を着実に要求してきた。
クリミア半島(クリミア半島)の深いところと東部地域のロシア占領地外郭にあるロシア軍の野戦指揮本部、補給船、弾薬・燃料貯蔵所を打撃することができ、今回の戦争の流れを一瞬で変えることができると主張してきた。
ウクライナのオレキシ・レズニコウ国防相は最近、「私たちが300kmまで攻撃することができれば、ロシア軍は防御を提供することができず、敗北しなければならないだろう」と述べたことがある。
また、最前線からずっと後ろにある作戦経路を攻撃できる長距離ミサイルは、ウクライナの戦車と歩兵部隊の地上の進撃路を確保するのにも大きく役立つ可能性がある。
ウクライナ政府は特に米国に対し、射程距離300kmほどの陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS-エイタクス)の支援を要請してきた。
■米国、ロシア本土攻撃「拡大戦争」を懸念
しかし、米国政府は長距離ミサイルを提供すれば、ロシア本土を攻撃して拡大戦争につながることを懸念し、ウクライナの要請を拒否してきた。
こうした視点を意識したウクライナ政府は、長距離ミサイルを受け取ったとしても、ロシア本土の標的を攻撃するためには使用しないと何度も公言している。
こうした中、ロシアはウクライナがロシア本土を攻撃するために無人航空機(UAV-ドローン)を長距離用に改造したと非難している。
(参考記事:韓国貿易協会「ロシア・ウクライナ戦争で利益得たのは中印土伯」「韓国は大幅損失」)
(参考記事:韓国紙「ロシア政府、日本が極超音速ミサイル開発で極東緊張時、即時報復表明」)
(参考記事:「ロシアが核推進ドローンを生産開始」現地紙報じる 新型原潜「ベルゴロド」に搭載予定)